2014年冬期(2013年度第4Q)深夜アニメ レビュー 其之参

今期の新番組第一話の感想としてはこれが最後です。
継続視聴を決めたものについては、後から第二話の感想を書き足すかも。

  • 感想にはネタバレを含みますので、これから見始めるつもりの方にはおすすめしません。


(↑ここまでほぼテンプレ)
以下、第一話の放送順となっています。

のうりん

TVアニメ 『のうりん』公式サイト

TOKYO MXにて1月10日(金曜日)25時00分からスタート。
農業系学園ラブコメ? 原作ラノベの評判があまり宜しくない(初期の頃に否定的な評価をよく目にし、その後、褒めてる人を見ない)事、漫画版をチラ見したところ「原作の物語面の魅力の薄さ」が透けて見えた事から、あまり興味を持てなかったのですが、テレビアニメはなかなか力が注がれていて、事前印象よりも評価が上がりました。
背景はギャグコメに不相応なぐらいにしっかりと描き込まれ、キャラクターもよく動き、声の演技も悪くない。テンポの良さも、面白さを1.25倍ぐらいブーストし、退屈を感じさせません。
キャラクターは基本的に平面作画と思われますが、「アイドルのプリントされた抱き枕カバーを主人公が被っている」シーンでは、その「抱き枕カバーにプリントされた平面画像」をそれらしく動かすために3Dモデルを使うなど、細やかな拘りが端々に見えて、作り手の良い意味でのお馬鹿さが登場人物達のお馬鹿さとシナジーしています。

たまたま連れと一緒に見ていたのですが、第一話アバンタイトルで、

「…ゆかりのライブが始まったんだが」
「あぁ、ゆかりんだな」
「…これ、横アリだよね」
「あぁ、どう見ても横浜アリーナだな」
「うぉー! 世界一かわいいよ!!」
「うるせぇ黙れ」

ってな会話が。お前いつから王国民になった?

ステージシーン描写に細かなツッコミはあるでしょうけど、いやいやいや、そーゆー作品じゃねーから!
ってか、そーゆー作品ではない(本来は比較対象にならない)ものまで、こうやって真剣にステージシーン描写されたら、「一番期待度の高い第一話のステージシーンをパンモロで誤魔化した」WUGは立場がねぇよなぁ。
むしろ、ツッコミどころがある事が「不幸中の幸い」だよ。完璧にされなくて良かった。

鬼灯の冷徹

TVアニメ『鬼灯の冷徹』公式サイト

TBSにて1月10日(金曜日)25時55分からスタート。
週刊コミック誌「モーニング」連載の作品で、割と好きですが、原作が好きだからこそ苦言を呈したい。
第一話のBパートにはもっと「らしさ」のあるエピソードを持ってきて欲しかったです。
エンディングは良かったけど、

ニセコイ

TVアニメ「ニセコイ」公式サイト

TOKYO MXにて1月11日(土曜日)23時30分からスタート。
週刊少年ジャンプ連載のアレ。原作漫画はクオリティ面では高く評価してるんですが、俺の好みではないので(テンプレ過ぎるラブコメ)、基本的には読んでませんでした。
ジャンル的な不適合と言う事でご理解頂きたい。

そうは言っても、お試しで第一話はチェックしたわけですが…。
うん、結して悪くは無い。リボーンやブリーチで培われた「ジャンプアニメって雑だよね」と言うイメージを覆すとは思います。
しかし、なんだか「シャフトがジャンプ作品をアニメ化したら」と言うお題で作られたMAD動画を見てるような気分になりました。まさか、こんなに取り合わせが悪いとは…。(^-^;

ヒロイン達はかわいいですね。
演技面は評価されるべきと思います。
以上。

世界征服~謀略のズヴィズダー~

TVアニメーション「世界征服~謀略のズヴィズダー~」公式サイト

TOKYO MXにて1月11日(土曜日)24時00分からスタート。
まだ第一話時点では、どーゆー方向へ転がすお話なのかよく分かりませんが、色々とデザインがいいので期待大。
第一話で言外に世界観・基礎知識を説明するパターンがお約束として綺麗である事は言うまでもないが、それをしなくても二話への興味関心が繋げる自信があるならば、そのパターンを逸脱しても良いのだ…と言うお手本かも。

2年ほど絵コンテばかりだった岡村天斎氏が久しぶりの監督で、シリーズ構成・絵コンテ・演出も手掛けるとの事。
それだけでも、大外しはない、絵作りが巧いので(ストーリーがイマイチだったとしても)映像的には最後まで楽しめるであろうと言う鉄板感があります。

主演は昨年からブレイクし始めた感のある久野美咲さん。俺妹でブリジットちゃん、「ガリレイドンナ」で金魚AIのグランデロッソ(ぎょぽーん♪)、「ログ・ホライズン」でにゃん太班長にぞっこんなセララを演じている子ですね。えらく幼女っぽいけど、今月で21歳になるそうです。ぱねぇ。
そしてここでも花澤香菜。テレビアニメ出演本数が多いのは例年のことですが、今期はこれまで以上に「特徴的で印象深い役」が増えた感じがあります。

ところで、「ズヴィズダー」ってどーゆースペルなんだろう?
公式サイトのURLが「sekaiseifuku-zzz」になってるんだけど、「ZVZD」ではなく「ZZZ」なのか。

てさぐれ!部活もの あんこーる

てさぐれ!部活もの あんこーる|日本テレビ

日本テレビにて1月11日(土曜日)23時30分からスタート。
前シーズンに無印の1期目をやっていた15分枠の番組ですが、当初から予定されていた連続2期ではなく、1期目の途中で(11月頃?)2期が決まったのだそうです。
商業アニメとしては「gdgd妖精」から始まったアドリブ依存型プレスコMMDアニメ、そろそろ共通認識としてのジャンル名が必要な頃合だと思いますが、何かありますか? 教えてください。

このジャンルの「てさぐれ」よりも前の作品はどうにも肌が合わなかったのですが、「てさぐれ」は面白いです。
これはこれで万人受けはしないでしょうけど、同じクリエイター(監督を務める放送作家さん)が次々と様々な奇策を打ち、合うものもあれば合わないものもある、と。名前(過去作)だけでは判断できません。
前半は脚本あり、後半は前半を踏まえた大喜利方式のアドリブ、かな? この構成が「声優ラジオ番組」感を強めています。ニコニコ動画には、声優ラジオ番組の面白いエピソードを編集して場面に合わせた絵を付ける動画ジャンルがありますが(Webラジオ「ぶるらじ」は公式がやっている例ですね)、それをそのまんま持ってきた雰囲気が強いです。
仮にこの体裁をプレスコMMDアニメの起源と考えるなら、「gdgd妖精」以上に先祖返りしていると思います。

明坂聡美さんはもう完全にこのジャンルの代名詞ですね。
また、大橋彩香さんを、現実のポジション「皆にかわいがられる新人」そのまんまの「いじられ新入生」役に置く事によって、アドリブパートにおいて、声優としての実力(演技技術)を超えた親和性を発揮している点が面白いです。

と言うのは1期目の評価として、2期目の第一話はアレだ。どんでん返しなオチに噴いた。
構図的には1期の第一話のオチをなぞってるんだよな。それも上手い。

尚、2期目の第一話は1期の総集編を兼ねていますので、1期をスルーしてここから見るのもアリだと思いますよ。

ウィザード・バリスターズ~弁魔士セシル

TVアニメ「ウィザード・バリスターズ~弁魔士セシル」公式サイト

TOKYO MXにて1月12日(日曜日)24時30分からスタート。
テレビCMを見る限りではそこそこ面白そうでしたが、それほど目立ったプロモーションは行われていなかった事、そして、原案&キャラクターデザインも手掛ける梅津泰臣監督は、この前のシーズンには「ガリレイドンナ」と言うガッカリ作品の監督をされていた事から、どこまで期待していいものか、と…もにょもにょ。
でも、第一話を見て懸念は吹き飛びました。今回は期待できそうです。

そりゃまぁ、ツッコミどころはありますよ。
あんな風に後部車両を爆破したら、そんなに都合よく千切れてはくれずに前の車両も引っ張られて脱線するだろう、とか、魔法犯罪のみ判決が出て即座に刑の執行ってどんな刑法だよ、とか…。
でも、それらの物語の嘘を目立たなく出来る程度には描写を作り込んでいるし、キャラクターデザインはもちろん、その他様々なデザインが凝っている。
キャラクターの動きも演出も高品質で、圏外から一転、今期屈指の期待作となりました。

敢えて一つだけ難点を挙げるなら、若本規夫さんの使い方が安易安直。
下手に弄らずに、普通に渋いキャラクターにしても十分に美味しくなったと思うのですが、

いなり、こんこん、恋いろは

いなり、こんこん、恋いろは。TVアニメ公式サイト

TOKYO MXにて1月15日(水曜日)25時00分からスタート。
なんだか不思議な作品が出てきました。少女向けと言う位置付けになるのかな?
和風魔法少女、それも、昨今主流と化した戦闘系魔法少女ではなく、(後天的魔法少女の元祖*たる)「ひみつのアッコちゃん」の様な他者へ変身する能力によって問題を解決する流れのようです。
今となってはむしろ珍しささえ感じる源流への回帰と、新しさとを併せ持っている感じが挑戦的です。

* 先天的魔法少女を含めると元祖は「魔法使いサリー」になるかと思います。

マケン姫っ! 通

新アニメ『マケン姫っ!通』公式サイト

TOKYO MXにて1月15日(水曜日)25時30分からスタート。
最初のアニメ(第一期、2011年)は第一話で「90年代か!」と噴いてしまうぐらい古臭いおっぱいアニメでした。
でも、原作漫画はそんなに古い作品じゃないらしいんだよなぁ…。読んでないので知りませんけど、アニメ化の際に故意にそーゆー書き方をしたと言う事なんでしょうかね?

先に言っておきますが、私は「アンチおっぱいアニメ」じゃないですよ。
「ハイスクールD×D」「だから僕は、Hができない。」なんかは、ストーリーの浅さ・薄さは兎も角として、アニメとしてはいい出来だと思いました。(1クール通しで見ると飽きちゃうけど)

で、微塵も期待していないながらも、今回も一応第一話は見ますよ、と。
あかん、1期は我慢して第一話の最後まで見たけど、今回はAパート終わる前に見る意欲が尽きた。orz

第一話視聴を終えての総括

やっぱ本数多過ぎるわ。

何の制約も無い状況ならば、少しでも面白そうだと感じたものは片っ端から録画したいところですが、ハードディスクレコーダーの容量は限られていますし、それより何より、録画を見る時間が足りていません。

今期新番組が(深夜枠だけでも)30本以上、前期から継続して見ているものが(深夜枠以外を含めて)6本ぐらいかな? 一週間の間に録画の消化に費やせる時間は多くてもせいぜい10時間(30分番組20本分)あるか無いかと言う感じ…、と考えると、半分以上は面白かろうが何だろうが切り捨てなければならない。
作品自体は掃いて捨てるほどある中で、限られた時間をやりくりして見る事になる。

つまり、ユーザの持つ限られた可処分時間を何十本ものアニメが奪い合っているわけで、「今この瞬間に退屈しない事」と「この先も今と同様かそれ以上に面白そうだと期待を持てる事」の両方を満たせないと、継続視聴は難しいでしょう。
(例外はあります。エロアニメ枠は若干異なる評価軸を併せ持つため必ずしも「面白そう」でなくても選ばれ得るでしょう。しかし、それは「パンツを出せばいい」と言う単純な話でもないんですよね。)

となると、今この状況下だと、「第三話まで見てから判断しよう」「もう少し見たら面白くなりそう」では、ユーザの選択肢に残る事は難しいと思うんですよね。そこまで待つ余裕がなかなか無いです。第一話で判断しないと間に合わない。録画がどんどん溜まって、見切れなくなっちゃう。
その辺り(第一話時点で「今この瞬間に退屈しない事」と「この先も今と同様かそれ以上に面白そうだと期待を持てる事」の両方を満たせないとならないと言う事)を意識できている作品と、できていない作品があるように思いました。
後者は、現在の環境に適応できてないって事になるんじゃないかなぁ。


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