劇場版アイカツ!

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この日(2014年12月23日)は、「Zepp DiverCity Tokyo」では「如月千早」役でお馴染みの今井麻美さんの「今井麻美 9thライブツアー “little legacy”」東京公演が行われ、「品川ステラボール」では「最上静香」役でお馴染みの田所あずささんの「田所あずさワンマンライブ2014 “Beyond Myself!”」が行われていたわけですが、私は連れと新宿バルト9にて「劇場版アイカツ!」を見ておりました。

と言うわけで非アイマスな話題ですが、恐らくこれが自分にとって、この2014年に劇場で鑑賞する最後の映画になるであろうと言う事、そして、2014年を締め括るに相応しい映画だったと感じた事、更に言えば、思い返せば「劇場版アイマスに始まり劇場版アイカツに終わる」一年だったなぁと言う感慨を込めて、記念の感想エントリ。

個人的にはこのアイカツ!と言う作品は「毎週テレビアニメを録画して、たまにCDを買う」程度にしか嗜んでいないので、私はアイカツおじさんではないです。
カードも集めてないし、映画の前売券も買わなかったし(前売券は映画館の席のネット予約には使えないので)、映画自体、平日の仕事帰りに席が空いていれば寄ろうかな…程度に考えていたのですが、連れに「自分も見たかったのに何故黙って一人で行ったのか」と後になって叱られても嫌なので、念のため先に一声掛けたところ、予想外にもとても乗り気で、時間を合わせて休日の真昼間に行く事になりました。

で、映画館に入ってみれば、右隣に連れ、左隣に幼女先輩、その更に左に保護者の方、前の席も幼女先輩と言う状況。だから昼間はダメなんだって! 大きなお友達としては昼間は譲って、夜に行くべきなんだよ!orz
まぁ、それはそれとして、流石にこの状況では泣けんな、と。うん、泣くまいぞ。泣いてなるものか、等と思っていたのですが……。
…お察しください。

いやはや、いい映画でした。
実時間では僅か100分ほどの然程長くも無い作品ですが、感覚的にはかなりボリュームがありました。
曲数的にも時間的にも楽曲にたっぷり割り振っていながら、ドラマも全く疎かにしていない。
ドラマはドラマで要素がぎっしり詰め込まれていて、大変に見応えがありました。

以下、若干ネタバレを含むかもしれないので、以降はread more記述とさせていただきます。

物語の主軸は「頂点を極めて勇退を考えるトップアイドルの先輩と、その憧れの先輩を乗り越えようとする主人公と、主人公の背中を追う次世代」の3世代の師弟物語です。
この「憧れの先輩」美月さんと「主人公」スター宮さんの物語はテレビアニメ2期後半の主題でもありましたが、テレビアニメ2期の描写は映像表現に目新しさが少ない上にドラマの展開が停滞気味に感じられ、正直なところ、ずっと「美月さんウゼェ」と思っていました。しかし、本作の美月さんは綺麗な美月さん、ウザさ皆無の程良い描写だったと思います。
今になって思えば、劇場版の製作が決まった事によって「美月さん vs スター宮さん」の真の決着がテレビアニメ2期からは先送りになり、その結果としてテレビアニメの展開がダレた、と言う見方も出来るのではないかと思うのですが、兎に角、本作はテレビアニメ2期後半で感じた「美月さんストレス」を完全解消してくれました。

尚、現在も放送の続いているテレビアニメにおいては、2012年10月から2014年9月までの2年間(第1期~第2期)主役を務めてきたスター宮さんが、2014年10月から始まった第三期において、後輩の大空あかりと主役交代しており、先程「3世代の師弟物語」と書いた通り、この「主人公の背中を追う次世代」大空あかりの視点も本作の主軸を構成しています。
「大空あかりの物語」自体はテレビアニメ第2期の終盤から丁寧にバトンタッチの流れが描かれましたが、劇場版においてはより直接的にこの三人を交わらせる事によって、「大空あかり視点から見たスター宮さん」が「我々視聴者が2年間その成長を見守ったスター宮さん」と同じ奥行きを得たように思います。そして、その奥行きが大空あかりにフィードバックされるわけですね。

もう一つ、現在進行形の物語として、画面の端っこで存在感を醸し出していた瀬名翼の存在は無視できません。
瀬名翼は第3期で登場した新ブランド「ドリーミークラウン」を主宰するデザイナーで、エンジェリーババアことエンジェリーシュガー主宰:天羽氏の愛弟子ですが、スター宮さんの背中を追う大空あかりの姿に刺激を受けて「師に並び立つデザイナー」を目指す瀬名翼の描写が、テレビアニメ第3期において「大空あかりと瀬名翼が互いに刺激を与え合って成長していく物語」と言う筋道を匂わせており、この先のテレビアニメの展開に対する期待を植え付けてくれます。

以上、本筋に関わる部分をざっくり振り返りましたが、一方で、いつものようにソレイユの三人やその周囲の人々の仲睦まじい様も丁寧に描かれており、特に最初のイチゴパフェシーンの甘々感は秀逸。イチゴパフェを食べに行きたくなる事間違いなしです。
映画館もね。劇場版にはビタイチ登場してないブレインサンダーなんか売ってる場合じゃないですよ。映画館の入ってる商業施設の中にイチゴパフェをアピールする飲食店があれば入れ食い確実だと思います。
実際、私も映画館を出た後は新宿のタカノフルーツパーラーへ駆け込み、1512円の苺のパフェを堪能しました。
今これを書きながら思い返しても、あのシーンは本当に素晴らしかった。

その他、第2期振り返り要素をガンガン詰め込んでみたり、例によって崖を登ったり、ヘリから飛び降りたりで、入れ損ねた「アイカツの代表的な要素」と言えばせいぜい「斧」ぐらいのものではないかと思います。
これだけ大量の要素を詰め込んでも「ストーリーの破綻したうるさいだけの映像」にならない、ちゃんと熱い物語を構成できている脚本は本当にすごいな、と。

映像的にも見所は多かったです。
アイカツシステムを用いないストリートライブのシーンはどーゆー入り方をするのかとワクワクしたし、曲の冒頭にスペシャルアピールを出したアンコール曲には、隣の幼女先輩も思わず「いきなりか!」とツッコミ不可避。

そうそう、左隣に座っておられた幼女先輩ですが、「花音」楽曲以外の曲は全て口ずさみ、更に、最後の「ステージ終演後に美月さんとスター宮さんが語り合うシーン」で劇伴の「ピアノ(ソロ)インストのSHINING LINE*」をハミングしていました。(まだ年齢的に理解が及ばなかったのか、ストーリーにはちょっと退屈していたように見えたのが残念ですが、)
この子達はいずれ「NAMCOサウンドの流れを汲むMONACAサウンドで育った世代」と評されるのでしょうか。

最後に、一つだけ苦言を。
エンドロールの演出は、(意図は分かるけど)それは違わないかな?と。
あの演出は幼女先輩にはビタイチ響かない、完全に「おじさん向け」の演出だと思います。
女児向け作品におじさんは出しゃばるべきではないし、製作側も露骨な「おじさん向け」演出は慎むべきです。
あくまでおじさん側が女児に合わせるべきであり、女児に「おじさん向けでしかないツマラナイ演出」を我慢してもらうのはダメでしょ。
あの演出のせいでスタッフロールを読む事の出来る時間が短くなっており、その事に若干の憤りを感じました。

結論としましては、ユリカ様かわいい。


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