2014年冬期(2013年度第4Q)深夜アニメ レビュー 其之壱

現況、録画を検討するために「ザックリ一通り見る」と言う事を行っているのが地上波深夜枠だけなので、その範囲で感想など。
とは言え、深夜枠アニメしか見ていないわけでは無いし、深夜枠でもタイトルだけで切って第1話にも目を通さなかった作品もあります。

  • 感想にはネタバレを含みますので、これから見始めるつもりの方にはおすすめしません。

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映画「パシフィック・リム」

ブログエントリ上は時系列が逆転しますが、既にお知らせした通り、この週末はブログを乗っ取られておりました。
金曜日のお仕事中は、「その日の夜中に穴塞ぎが完了するだろう」と予測し、「この週末は復旧作業で潰れる感じか」と暢気に考えていたのですが、結局穴塞ぎの対応は終わらないまま週末を迎えてしまいまして、
「ロリポ運営にお任せして復旧を待つより、他社に乗り換えてバックアップデータから再構築した方が早そうだなぁ」
等と思いつつも、
「アフィリエイトとかしてなくて一銭も稼いでないのに、週末を潰して追加のサーバ費用まで出費とか有り得んだろ」
と言う事でサーバのお引越しは踏み留まったわけです。そんな無駄なお金ないもん。

ロリポ運営側の対応終了宣言を待たずに不用意に手出しして作業の重複により追加トラブルを抱え込むのも御免だし、かと言って、運営側の対応終了を待って、
「おのれロリポおじさん、おのれGMO熊谷、おのれお洒落帽子掛けさん(←なんでや、Liverty家入一真氏は関係無いやろ!)…」
等と呪詛を呟いていても何の解決にもならぬので、憂さ晴らしに映画を見てきましたよ。

話題の「パシフィック・リム」を。

尚、この作品は木曜日から上映館も上映回数も減って「劇場公開終了」へ向かっているのですが、口コミにより見逃した人々のリバイバル上映を望む声が高まっていますので、皆様におかれましても映画館の大スクリーンで御覧になる事をお祈りして、こちらではネタバレ無しの薄めの感想とさせて頂きます。

オタクによるオタクのための映画

予め「巨大怪獣 vs 巨大人型ロボット」の映画であると言う理解があれば、ストーリー性に過剰な期待をする輩など居るはずも無いとは思いますが、人間同士のゴタゴタを極力排除して単純化し、監督のやりたい事、見せたいものをこの上なくストレートに提示した作品でした。
即ち、怪獣がグワーッ!と襲ってきて、ロボットがドギャーンとぶん殴る作品です。玩具を売るミッションが無い分だけ、スーパーヒーロータイム(スーパー戦隊&仮面ライダー)よりもシンプルでストレートで、欲望に忠実(&誠実)。

ストーリー構成としては「全26話の物語を2時間の総集編に切り詰めた」ような作りだと感じましたが、ボリューム感としては、よくもまぁこれだけ大量の戦闘シーンを2時間の枠に収めたな、と。
各戦闘シーンの繋ぎの「人間同士のドラマ」を単純化したからこそ出来た事なのだろうと思いますが、ボリューム感が半端無いです。香港防衛戦の途中で、「え?これ残り時間足りるの?ここで終わっちゃわない?」と心配になってしまいました。
上映が終わってから、2時間10分しか経っていない事に驚いたぐらい。

ストレスの無い3D映画

日本語吹き替え版を3Dで見ました。3D映画は吹き替えに限りますね。
基本的には字幕の方が好きで、「字幕で見たいから3D版ではなく2D版を見る」選択をする事もあるぐらいなのですが、今作は皆が口を揃えて「3D版を日本語吹き替えで見る」事をオススメしているので、そこまで言うなら従っておこう、と。
3D版で字幕を見るのは本当にしんどいです。過去に「アリス・イン・ワンダーランド」等で懲りました。
目への負荷が大きく、頭が痛くなります。「3D+字幕」でなければ言うほど疲労はない。

で、良かったです。声の演技も、3Dも、

ただ、この作品は「3Dでなくてはいけない」とは思いません。
3Dである事よりも、大きなスクリーンで見る事の方が重要性が高いと思います。
2Dでも遜色なく迫力を感じられる絵作りになっています。

迫力を3Dに頼る絵作りって、スクリーンから観客側へ飛び出す表現を大きめ(&多め)にする絵作りなんですが、これは特に目へのストレスが高いと言う事で、現在は禁じ手、製作側のルールで自粛されてるんですよね。
なので、近年の作品で「迫力を3Dに頼る絵作り」、「3Dなら迫力満点だけど2Dだと残念な絵作り」の3D作品は存在しないはずです。まぁ、余談ですが、

取捨選択の思い切りの良さ

必要なものをガッツリ詰め込んで、ちゃんとひとつのストーリーに纏めたのが凄いですよね。
過不足も無く2時間10分の枠に収め切ってきちんと商業作品に纏めたのが凄い。

これ、日本人の監督がやるとどうなるかって考えると、オタクじゃない監督なら人間ドラマ(特に恋愛要素)をゴリッと突っ込んで、観客が一番見たいものをおざなりにしちゃうし、オタクの監督だと、そもそもストーリーを付ける事を諦めて、出撃シーンから戦闘終了までを描いた15分ぐらいのPV的なショートフィルムにしちゃうでしょう。あれってもしかしてパイロット版的な位置付けなのかな?(そーゆーCG作品、見たことありますよね?)
前者はたぶん今公開されている実写劇場版ガッチャマンだし、後者はほとんどの場合、限定的に無償でお披露目され、商売にはなっていない(お金を稼げない)。お金を稼げないからその先の発展が無い。

特筆すべき切捨て箇所は、何と言っても一番最初。
「24分×6~12話」ぐらい使えそうな「最初の物語」をアバンタイトルに収めてしまう思い切りの良さが、作品全体のメリハリを付けたなぁ、と。
確かに、物語の後ろを尻切れトンボにしないためには冒頭を如何に纏めるかと言う話になるのは道理なのですが…。

これは前述の繰り返しになりますが「巨大怪獣 vs 巨大人型ロボット」映画と言う前提認識で見れば、「あー、なるほど、そうやって切り詰めちゃうんだ」と納得できる部分でしょう。でも、もしもその前提が無い観客がいたら、単に雑で幼稚な切り詰めにしか見えずに、怒り出してしまうかもしれません。

過去に何作も作られているアメコミヒーローであれば「最初の物語」を完全省略する事も可能ですし、「宇宙暦XX年」とか「宇宙世紀XX年」で始めれば、惑星連邦(スタートレック)の成り立ちや、地球連邦軍とコロニー住民の確執(ガンダム)を一から説明する必要も無いわけですが、シリーズものではない本作ではそうはいかない。世界観を一から説明しなければならないし、その説明だけで少なくとも「その世界の入り口に立つ」程度に受け入れてもらわなければ(引き込まなければ)ならない。
その意味で、過不足の無い適度な説明パートでしたし、迫力の有る戦闘シーンでもって、その説明を一気呵成に前頭葉まで叩き込んでいます。スケール感と描写粒度の合わせ技で「この世界を楽しみたい」→「だから、細けぇ事はいいや」と飲ませるのは、観客をよく理解していて上手い。

僕の頭の中の全26話

世界観(世界情勢)の説明から始まって、主人公がイェーガーのパイロットとなり、パートナーを失ってイェーガーを降りるまでのTV版第一クール13話の内容を、まるっとアバンタイトルに収めてしまった大胆さには驚きました。
これにより、司令官の過去話(第10話)や、パイロット候補生マコと出会い(第6話)、関係を深めていく話が大幅に改編を迫られたのは、マコ推しの人には不満を感じる部分かもしれません。
特に、第3話・4話の主人公の初戦は大きなスクリーンでもう一度見たかったですね。

一方で、第一クール終盤(第12話・13話)の激闘は余す事無く描かれていましたし、第二クール序盤(第14話・15話)の重苦しい雰囲気は、短く纏めながらもしっかりとディテールアップされていて良かったです。

ロシアや中国のイェーガーの見せ場が少なかったのは、構成上仕方ないところでしょう。
香港防衛戦以前の戦い(第16~19話あたり)が描かれていれば良かったのでしょうが、その場合は司令官の過去話もマコが兎を追ってしまう話(第9話)も入れる余地が無かったと思います。
そう言った部分を省かなくて済むよう、2部作、3部作にしてくれと言う意見もありますが、そうなると全国公開で採算の取れる作品とは見なされず、予算縮小されて新宿辺りでの単館上映になってしまったと思うのです。やはり、1本に纏める事によってターゲットをTV版のファンよりも広げて、商業的な勝負の土俵に上がれたと言う部分はあると思います。

※ 註:テレビ版は私の存在している宇宙には存在していないようです。

そろそろネタバレ感想に踏み込みそうなので、この辺にしておきますか。

@JAM 2013 “Next Stage LIVE”

「アイドルマスター シンデレラガールズ」名義で(「多田李衣菜」役)青木瑠璃子さん、(「島村卯月」役)大橋彩香、(「渋谷凛」役)福原綾香さんが出演した「@JAM 2013 アニソンDay」にはチケット取ってなくて参加できなかったので(一応ハッシュタグ監視して「チケットあるよ」系Tweetには飛び付いていたのですが、結局は獲得ならず)、同日に会場のすぐ近くで野外ステージを設けて開催されていた「@JAM 2013 “Next Stage LIVE”」(観覧無料)を見て来ました。

狙いは「アイカツ!」でお馴染み「STAR☆ANIS」。
本命の「@JAM 2013 アニソンDay」のチケット乞いは空振りに終わったため、その後も何組か見てから帰りました。
「STAR☆ANIS」はステージ前のスタンディング観覧スペース後方から、その後はステージより上の階から眺めていたのですが、「地下アイドルファンの文化」と言えば聞こえは良いものの、色々と釈然としない感想が残りましたので、書き残しておきます。

観覧スペースの客はパフォーマンス中のユニットに応じて入れ替わっていましたが、それぞれのユニットでファンの行動様式に共通点、類似点と、異なる点がありますね。

まず、閲覧スペース最前にはステージにかぶりつかんばかりのファンが高密度で固まります。
この人達はわき目も振らずステージに集中しています。この時の「STAR☆ANIS」の場合、この様な客層が前から2mぐらいのゾーンを形成していました。

続いて、明らかに最前層とは異なるノリの人達が集うゾーンがあります。
厚さにして3~5mぐらいだったかな? みんなユニットを応援するTシャツとか着てるんですが、この第二層は雰囲気が違う。
例えば、最前層と違って「少しでもステージに近寄ろう」とはしていないので、スカスカです。
と言うか、密度を詰める事はできないんです。オタ芸を打つから。
逆に言えば、最前層は人と人の間に隙間が無いのでオタ芸なんか打てません。

で、この人達、打ち始めるとそれぞれの小グループで円陣を組みます。
つまり、半分ぐらいはステージに背を向けている事になります。
何が楽しいのか、お互いに顔を見合わせて笑顔でオタ芸を打っています。
え? 君らステージのパフォーマンス見ないの? パフォーマンス中のアイドルに興味無いの?
…あぁ、ないんですね。曲と曲の間のMCでは、主に仲間内で話をしててステージ上のMCは一切聞いていない。

うわぁ、鬱陶しいなぁ。
君らの後ろに「最前層に潜り込むほど熱心ではないが、パフォーマンス中のアイドルに興味を引かれた、これからファンになるかもしれない人」等の観客が居る事は全く意識してないんだ。
うーん、そのアイドルのホームの「劇場」であれば、客席スペース後方でそうしてても構わないかも知れないけど、「劇場」に来ない一般人に広く訴求してファンを拡大する意図で企画されたであろう観覧無料の野外ステージイベントで、ステージ前数メートルの位置をそーゆー態度で占拠するのってどうなの?
イベントの趣旨は無視して、自分達だけ楽しめればいいの?

肩車をしていたのもこの第二層でした。
子の後、「日刊サイゾー」に掲載された「週刊アニメ時評」が話題になりましたが、この前に野外ステージの方でも肩車が居たんです。

  • 日刊サイゾー : 田中理恵だけじゃない! “悪質イベンター”がアニメイベントで大暴れ中

    一方、同日、東京・Zepp DiverCity Tokyoにて開催されたアニソンライブイベント「@JAM2013」会場でも、ファン同士による乱闘騒ぎが起きていた。
    「アイドルマスター シンデレラガールズ」「μ’s」「藍井エイル」など人気の女性アニソンシンガー・声優ユニットが競演する同イベント会場の最前列に、数名の集団が陣取り、ほかの観客の鑑賞を阻害したのみならず、最前列に近づく自分たち以外の観客を引き剥がす、暴行を加えるなどの迷惑行為を繰り返し、三森すずこ出演時にはついに流血騒ぎまで発生。イベント後、これらの暴力行為に対して、出演者もTwitter上で暗に批判を口にしていたことから、ステージ上からもその混乱具合が確認できていたと思われる。
    「あちこちのアニメ系イベントに出没し暴れ回る、いわゆる『悪質なイベンター』集団は、実際に問題になっています。彼らはライブやイベントを楽しむというよりも、『目立ちたい』『暴れたい』という目的でイベントに来ています。ここ最近、イベンターたちの狼藉ぶりはますますひどくなってきており、イベントの進行を邪魔するようなコールや声かけ、イベンター同士で肩車してステージ上に上がろうとしたり……。特に分別がつかない若いファンが集まるイベントは、動物園みたいなノリですよ」(レーベルスタッフ)

(上述の記事に書かれているのは「@JAM 2013 アニソンDay」、私が見たのは観覧無料ステージ「@JAM 2013 “Next Stage LIVE”」であり、自分で見ていない「@JAM 2013 アニソンDay」に対する言及はここでは控えますが、ここで書かれているような迷惑行為は実際にあったと参加者から聞いています。)

さて、そのオタ芸集団の中には自作Tシャツらしき人も何人か居たのですが、背中には大きく「#楽曲派」。
「『楽曲派』気取り」を嘲笑するのは君の勝手だけどさ。オタ芸が曲のテンポ外してるくせに「楽曲派」ハッシュタグを自ら背負うんだ?
ネタにしたって他者への礼儀も曲への礼儀も欠き過ぎてて全然笑えねぇよ。shineばいいのに、

最前層の人達は、こーゆー不快な「ファンなのかファンじゃないのかよく分からない連中」が背後で大騒ぎしてる事に気付いていないかも知れませんけど、更にその後ろの「ステージに興味を持ったファンじゃない人達」には、この大騒ぎ層が一番目立ちます。普通に後ろで見てたら、その前にステージかぶりつきの「普通のファン」が居る事にも気付かないんじゃないかな。
となると、「ファンじゃない人達」には「あの××とか言うアイドルのファンって大騒ぎしてるだけで曲もMCも聴いてない」と言う印象が残るわけです。
そこから生み出されるのは「地下アイドルの現場はステージを楽しむ雰囲気じゃない」と言う事にはなりませんか?
お前らのお友達になって『オタ芸をお互いに見せ合う事』を楽しめないと「STAR☆ANIS」のライブでは浮いてしまう…と言う誤解を招きませんか?
「ファンじゃない人達」に「あの子達、曲は良いけどライブは行きたくないな」と思わせたいんですかね?

「STAR☆ANIS」も、その後にステージに立った他のユニットも、それぞれに厚さは違うものの「ステージに集中する最前層」を持っていたので、その後ろの不愉快な人達の印象を以って「××のファンは酷い」なんて言いたくないのですが、この二層の空気の違い、当のファン達はどう思ってるんでしょう?

こうやって過去の日付でこそこそと批判的な事を書くのはちょっと卑怯かなぁとも思わなくも無いですが、その批判は甘んじて受けます。

でも、「STAR☆ANIS」はよかった

いいステージでした。
最初の登場時にアニメ「アイカツ!」のステージシーン前の衣装チェンジシーンのBGMを使うのは上手い。
ぐぐっとテンションが上がり、雰囲気が塗り変わりますね。
選曲も良かったですが、センターの子の纏う「センターっぽさ」とでも言うべき雰囲気がすごく目を惹きました。
また、最前層のコールは楽曲の雰囲気やテンポを妨げない楽しいノリを作っていました。

第二層を突っ切って最前層に潜り込めば良かった、と少し反省。

2013年春期(2013年度第1Q)深夜アニメ レビュー

現況、録画を検討するために「ザックリ一通り見る」と言う事を行っているのが地上波深夜枠だけなので、その範囲で感想など。
とは言え、深夜枠アニメしか見ていないわけでは無いし、深夜枠でもタイトルだけで切って第1話にも目を通さなかった作品もあります。

  • 感想にはネタバレを含みますので、これから見始めるつもりの方にはおすすめしません。

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