アニメ「THE IDOLM@STER」 第21話

え?
これ最終回じゃなかったの?

…と言う感じでした。これはビックリw
いつものように感想はまた後日。
(全話放送終了に伴い「Read more」記述を解除しています。)

第二十一話「まるで花が咲くように」

駅の売店の新聞スタンドに貼られた前垂れPOPや、電車内の吊り広告に、
「如月千早、沈黙破る!」「独占インタビュー 渦中の如月千早 真相を語る!!」
と言った文字が並ぶ。

事務所の応接スペースでは社長が善澤記者と話していて、小鳥さんが珈琲を持って来る。

社長「これで、騒ぎが少しでも収まってくれると良いのだが…」
善澤「うん」
社長「今回は、君に感謝をしないといけないな。いつかこの借りは必ず返すつもりだ」
善澤「何を言ってるんだい。私は彼に頼まれて、記事を書いただけの事だ…」

赤羽根Pが善澤記者を呼んでインタビューして貰った、と言う事のようだ。その回想が挟まれる。

P「今まで通り仕事が出来るように、千早と話し合った上で、決めました」

Pの隣で、しっかりした眼差しで頷く千早。

善澤「…それに、幾らなんでも、あんなゴシップを放ってはおけんよ」
社長「ああ」
善澤「如月君も、辛い取材に向き合って、よく答えてくれたと思う」

頷く小鳥さん。

善澤「それで、如月君は?」
社長「あぁ、『IDOL JAM』に出演する事になってね。早速、レッスンに行っているよ」

お仕事に復帰出来ているようで何より。
ところで「IDOL JAM」って…、もしや、「フェス」初登場ですか?

Opening

やりやがった!
千早が青いライトに照らされながら歌う「負けないで TRY AGAIN / 立ち上がる STREET」の箇所が、まるで黄金の陽光を思わせる暖色のライトに向かって歌う千早に差し替えられている。
ポーズは(たぶん)変わってないけど、以前の険しい表情とは大違いの明るい表情で、生き生きと歌っている。

「負けないで」と言う言葉が、あの寂しげな空気の中で険しい表情で歌う千早に向けられている事は分かっていたけど、その先の「立ち上がる」姿までも用意しているとは思わなかった。何とも憎い演出だ。
まさに「CHANGE!!!!」、千早は立ち上がれたんだな。ありがとう、春香。ありがとう、錦織監督。
くそっ、涙が止まらない。やられたなぁ。

Aパート

黒井「これで全ておじゃんだ!」

961プロの社長室にて、千早のインタビューの載った週刊誌をデスクに叩きつけて激昂する黒井社長。

黒井「認めるものか。この私があの連中に負けるわけが無い! その様な事があってはならんのだ…」

そのデスクの上には、高木社長が持っていたのと同じ「IDOL JAM」のパンフレットも。
遂にJupiterとの直接対決だろうか?

場面は変わって、パンフレットと同じロゴが踊る野外ステージの設営風景。
かなり大掛かりなイベントのようで、メインステージは街中に開けた芝生の公園だけど、公道を塞いだ会場もある様子。
劇伴は確か5話の夜にも使われていたと思う「Night」のピアノソロアレンジ。

控え室に入った765プロ一同。
その扉の外には、りっちゃんPと赤羽根P。

律子「今日のライブ、千早にとって、ひとつの試練ですね」
P「うん」
律子「会場の人達、受け入れてくれるといいけど…」
P「みんなに、千早の歌を聴いて貰えれば、きっと…。できるだけ、いいコンディションでステージに立たせてやらないとな」
律子「はい!」

20話で描かれた定例ライブは、千早の復帰を心待ちにしていた「765PRO ALLSTARSのファン」が集うホームグラウンド。
だが今回は、多くのアイドルユニットが競演するステージであり、自分達に好意的な観客ばかりではない。
前回もそうだった様に、りっちゃんは赤羽根Pの分まで不安を背負込んでいるかのようだ。

ところが…さっそく何やらトラブル発生? 電話中のりっちゃん、

P「ヘアメイクさん、なんて?」
律子「それが、変なんです。ウチの事務所を名乗った人から、キャンセルの電話が入ったって言うんです」
P「えぇっ?! そんなワケないだろう!」

ちょwwおまwwww
黒井社長、その妨害は幾らなんでも、せこ過ぎるだろう。
あまりにもちまちました嫌がらせでコメントに困るわ!

伊織「ちょっと、どう言う事なの?」
真「じゃあ、メイク自分達でしなくちゃいけないって事? 今からで間に合うかなぁ…」

代わりの手配もままならず、動揺する一同。その空気に千早の表情も強張る。
千早の不安そうな表情に気付いた春香は、努めて明るい声で、

春香「ねぇ、とりあえず、自分達でやってみて、難しいところは、お互いに手伝って仕上げるようにしたら、どうかな?」
伊織「仕方ないわねぇ。そうと決まったら、ちゃっちゃと動きましょう」
亜美・真美「ラジャー!」
やよい・響・美希「了解!」

赤羽根Pにも「大丈夫だよ、任せといて」とでも言うように笑顔で無言の合図を送り、再度千早へ声をかける春香さん。
本当に気遣い屋さんだよなぁ。逞しく感じるし、この子と赤羽根Pが信頼関係を築けている事が嬉しい。
皆が千早を心配し、支えようとしている空気にも胸が熱くなる。

律子「黒井社長でしょうか? こんな嫌がらせをするのは」
P「…たぶん。けど、何を仕掛けてこようと、皆で乗り切って見せるさ」

その頃の黒井社長。PA調整ブースに現れて…

黒井「君、ちょっと。頼みがあるんだがね」

ぎゃぁ、まさか買収ですか? これはちょっと洒落にならんぞ。
ホント、世の中には許される事と許されない事が…

ステージの近くにいた冬馬もその様子に気付いて不審に思うが、翔太と北斗に「そろそろ時間だぞ」と呼ばれ、舌打ちして立ち去る。

シーンは変わって、待機のテントでイヤフォンをして集中している千早。
ステージではJupiterが「恋をはじめよう」(“Jupiter”収録)を披露している。音のディレイが「如何にもステージ裏」な感じでいい雰囲気だけど、そこに調整ブースに居たスタッフが訪ねて来る。

P「え?! 楽曲データに不具合?」
スタッフ「すみません、なんでこうなったのか…。時間も無いですから、このままだと、飛ばす方向になると思いますが…」
P「ちょっと、待って下さい!」
スタッフ「いや、あの…今から全体のプログラムを組み直せないので…」
P「じゃあ、これを。音源は持って来てますから、これで対処してください」
スタッフ「あ、はい…。一応、やってみます」
P「俺も行きます」
スタッフ「えぇっ?」
P「律子、こっちは頼んだぞ」

スタッフがあからさま過ぎるが、とにかく最悪の手を打ってきたなぁ。
このスタッフに同行した赤羽根Pの対応は妥当だが、欲を言えば、同時に事務所経由でフェスの実行委員会本部(主催サイド)へ連絡を取るべきだとは思う。
「飛ばす」と言うのが順番を入れ替えると言う意味ならまだ分かるが、出番がなくなると言う事であれば損害賠償モノのトラブルであり、「現場の判断」で片付けて良い事ではないからだ。最悪の「もしも」を考えるなら、上のルートでの対応を同時に進めてもらう必要がある。
観客に対しても説明責任が生じるので、経緯と責任の所在を明確にしておかなくてはならない。チケットには出演者変更の免責は書かれているだろうが、そんなもので説明責任までも免れるわけではない。

それはそれとして、スタッフと共にテントを飛び出していく赤羽根Pを、離れたところで見ていた黒井社長。

黒井「いつまでも熟す事の無い青い実が、身の程を知るがいい」

赤羽根Pを未熟と笑う黒井社長には、「不熟」の言葉を贈ろう。

ステージとの位置関係に違和感を感じざるを得ない調整ブースにて、何だかんだ言い訳して対応を渋るスタッフに、諦めず食い下がる赤羽根P。

P「今日は、大切なライブなんです!」
スタッフ「…やるには、やってみますけど…」
P「宜しくお願いします! …どうしても、歌わせてやりたいんです。どうしても…」

待機のテントでは、りっちゃんが…

律子「音が戻るまでの繋ぎを考えておきましょう。千早は1曲目だから、スタンバイして」
千早「…えっ? …はっ、はい」
一同「いってらっしゃい」

なにやら考え事をしていた様子の千早、テントを出る足取りが重い。

律子「そうね。みんなで順番に、MCをするのはどうかしら?」
響「それより、自分と真がダンスで繋ぐって言うのはどうかな?」
真「ダンスを踊る時も、曲は要るじゃないか」
響「うわぁ~、そうだった!」
伊織「曲がなくても出来るものと言えば…」
美希「ねぇ、『生すか』のライブ版とかはどうかな?」
やよい「あ、それって、いいアイデアかも!」
真美「じゃあ、まずは真美達が『あみまみちゃん』で…」
亜美「会場をドカーン!と笑わせて…」

と、そこに千早が戻って来る。
気付いた春香は、千早の思い悩む表情を見て、テントの外へ連れ出す。

春香「どうしたの? 千早ちゃん、忘れ物?」
千早「…あの、私…」
春香「何か、考えがあるんだよね?」
千早「でも、これは、私のワガママかもしれなくて…」
春香「でも、千早ちゃんはそうしたいんでしょ?」

頷く千早。

春香「…なら、大丈夫だよ。千早ちゃんが本当にしたいこと、ちゃんと聴かせて欲しいな。みんなも、きっとそうだと思うよ」
千早「ええ」

思い詰めた表情が解れ、明るさを取り戻す千早。ホント、春香さんは千早のベストパートナーやで。
千早は皆が話し合っているテントへ戻る。

千早「あの、みんな…」
律子「どうしたの? 早く、スタンバイ…」
千早「あの…、みんなにお願いがあるの」

劇伴としてピアノソロでスローアレンジな「relations」が、染み入る様に響く。
つい先日、「relationsまだ出てないよね?」って話が上がってたんですよ。ここまででは、りっちゃん回(18話)で美希がヘッドホンして曲チェックしてたのが微かに流れただけ。

千早「今朝からずっと、それに、今も。みんなが、私に歌わせようとしてくれていて…、この前のライブでも、みんなが私を支えてくれたから、なんとか歌う事が出来たわ。その事は、すごく有り難いと思ってる。でも私、いつまでもみんなの優しさに甘えてはいられない。だから、たとえ音が無くても、ここは私が歌うべきなんだと思う」

律子「ちょっと待って。あのね、千早、今日のステージはあなたにとって、ホント大事なステージなの。今日の会場に来てる人達は、ファンの人ばかりじゃないわ」
千早「ええ、分かってる。こんな状況で、音無しで歌うなんて、無謀かもしれない。次の機会まで待った方が安全かもしれない。でも、私は今歌いたい! 今日この場で証明したいの! 私はもう大丈夫。みんなが取り戻してくれたこの声があるなら、私はきっと一人で飛び立てる! それをみんなに見て欲しい!」

あぁ、今この瞬間、「蒼い鳥」が新しい意味を、新しい物語を獲得したなぁ。
また涙で前が見えなくなってしまった…

律子「…分かったわ。行ってきなさい。千早」
伊織「まったく、その気なんだったら早く言いなさいよね」
貴音「千早、あなたなら大丈夫です。思いのままに、翼を広げて飛び立ってください」
美希「美希、千早さんの歌、超楽しみなの!」
響「自分達、ちゃんと舞台袖で見てるからな」
真「もし、何か不味い事あったら、合図してよね」
あずさ「さあさあ千早ちゃん、肩の力抜いて」
千早「…ありがとう、みんな、本当にありがとう!」

キングMAJIお姉さん。優しく包み込むように支える声色は、20話の円陣シーンとも重なります。
傍らで見守る春香も、千早へと頷き返す。

千早「春香…」

ハルチハは今、正義を越えて至高に至ったと言っても過言ではあるまい。
もはやハルチハだけで泣ける次元へと達しつつある。

パフォーマンスが終わり、歓声が響くステージから引っ込むJupiterの三人は、千早とすれ違う。
その表情から何かを感じ取った様子の冬馬、今まさに舞台袖からステージへと出ようとする千早。

Bパート

真っ暗なステージに、一筋のスポットライトが灯る。そこには千早が。
ざわめき始める観客。一般の観客に混じって見ていた高木社長も居ても立っても居られずに走り出す…

千早がマイクを胸の前に構えて瞳を閉じると、浮かぶのは前回のライブで千早のために「約束」を歌う仲間達の姿、そして、あの時客席に幻視した、幼い頃の姿の笑顔の二人。
再び瞳を開いた千早は、確かな眼差しで歌い始める。音の無いステージの真ん中で、

初お披露目の関空アイステイベントで我々を感涙させた「MASTER ARTIST 2 – FIRST SEASON – 05 如月千早」収録の「眠り姫」が、千早が歩んできた物語の先に結実した最高の「眠り姫」が歌い上げられる。
静まり返って聞き惚れる観客、舞台袖で見守る仲間達…
前回のステージシーンとは全く異なる歌唱の描写に目を奪われる。

出番が終ったJupiterの三人も、控え室でモニターを見ていた。

冬馬「あれ? アカペラ?」
翔太「確か、リハの時はオケ出てたよね?」

冬馬は、黒井社長が調整ブースで何やら話していた事を思い出し、音が出ていない理由に気付く。
一方の調整ブース。

スタッフ「何やってんだ、俺…次のタイミングで、音出すぞ」

サビに合わせて伴奏が入り、会場が沸き返る。
うわー、これはMA07の時のニコマスMAD(桃邪気Pの「隣に…」)を思い出しちゃうよなぁ。
…とか思ってたら、オノダヒロユキさん(NBGIでは「mft」名義で作詞されている)が反応してて噴いた。

  • Twitter / @onodahiroyuki オノダヒロユキ/mft : 11月25日 1:41 AM

    公式で途中オケインだと!

黒井「クソッ、こうなったら…」
冬馬「やめろよ!」

更なる手を打とうとしたらしき黒井社長は、問い詰めに来たJupiterの三人と鉢合わせ。

黒井「貴様等…」
冬馬「もういいだろ! これ以上…」
黒井「やかましい! そこをどけ!」
冬馬「オッサン!!」
黒井「小賢しい、この私に意見をするなど百年早い! お前達など所詮コマに過ぎんのだ!」
冬馬「…コマ…またコマ扱いかよ。俺達は…、俺達は利用されるために歌ってるんじゃねぇんだよ!」
黒井「生意気を言うな!」
冬馬「てめぇ!」

黒井社長に掴みかかる冬馬、北斗と翔太は慌てて冬馬を抑える。

北斗「冬馬、熱くなるな!」
翔太「そうだよ! 黒ちゃんを殴っても、何の解決にもならないって」
冬馬「…もう、潮時ってやつだな」
黒井「何?!」
翔太「ま、そうかもね。黒ちゃんには悪いけど、ここまでこじれちゃね」
北斗「正直、着いて行けないですよ」
黒井「…ふん、ならば、好きにするがいい。いつかきっと、この私が正しかった事が、お前達にも分かる日が来るだろう。その時に悔しがっても、もう遅いんだぞ」

三人の冷たい視線を受けながらも、高笑いと共に立ち去る黒井社長。
崩壊はあっと言う間だったなぁ。冬馬の苦悩はもう少し時間をかけて描かれるかと思ったが、

会場を後にしようとする黒井社長。そこへ走って来た高木社長は、黒井社長に気付いて足を止める。
ライトに照らされた「765PRO ALLSTARS」と「Jupiter」それぞれの大看板が並び立つ前で、対峙する二人。
言葉を交わす事無く立ち去る黒井社長。その背中を見送る高木社長に、会場の歓声が届く。

壮大な伴奏が鳴り響く中、深々と頭を下げる千早。
調整ブースからそれを見ている赤羽根P、テントからモニターを見ているJupiterの三人、千早の名を呼び、「お帰り」「待ってたよ」と大歓声の観衆。
舞台袖で見守っていた仲間達も、ステージから戻った千早を拍手で迎える。

千早「みんな…ありがとう」
美希「千早さん、美希、感動したの! 今日のステージは、きっときっと、忘れないの!」

りっちゃんに次のスタンバイを促されて慌てて散る一同。

千早「春香」
春香「うん?」
千早「ありがとう」

ここの二人の表情にまた感極まってしまった。
春香の「泣きそうな笑顔」の描写がすごい。なので、代わりに俺が泣く。

フェスは無事に終わり、駐車場でワゴンに荷物を積み込んでいた赤羽根Pに、ステージ衣装から着替えたJupiterの三人が近付いて来た。

冬馬「おい」
P「あ、…何の用だ?」
冬馬「…知らなかったとは言え、色々悪かったな」
P「ん?」
冬馬「黒井のオッサンが、あんた達に迷惑かけたみたいだからな」
P「その事だったら、もう…」
冬馬「いや、幾ら辞めた事務所の事とは言え、これは俺なりの男のけじめだ」
P「あぁ…って、辞めた?」
冬馬「色々あって、今日限りでな」
P「じゃあ、これからどうするんだ?」
冬馬「一からやり直す。今度は、俺達の力を信じてくれる場所でな」
P「…そうか」
冬馬「一応、謝ったからな」
P「あぁ、分かったよ」
翔太「いやー、冬馬クン、熱いねぇ」
北斗「冬馬、お前そーゆー趣味が?!」
冬馬「んなわけねーだろ!」

よし、これで876プロ移籍への目も残ったな!(をい
そして、帰りの車中。流石にミニバス移動は降郷村で懲りたのか、今回はワゴンで赤羽根P車とりっちゃん車の二台に分かれている様だ。
赤羽根P車は助手席に社長、二列目に美希、春香、千早、最後尾に伊織とやよいが乗っている。

高木「いやぁ、若いと言う事は、いい事だねぇ」
P「何ですか? いきなり」
高木「いや、何となく、私も昔の事を思い出してしまってね。よし、今日は、君達をいい所に招待しよう。律子君の車にも教えてあげよう」

高木社長に案内されて一行が向かったのは、バーカウンターやグランドピアノを備えた品のいい店。

春香「素敵なお店ですね」
やよい「大人の匂いがしますぅ」
伊織「って言うか、ここ政財界の大物が大勢いるじゃない」

カウンターに見覚えのある後姿を見つける赤羽根P、

P「あ、あれは善澤さんと…黒井社長?!」

思わず目を伏せる千早に、とっさに伊織が反応する。

伊織「ちょっと、なんであいつがここに居るのよ? 気分悪いじゃない! 追い返してやるわよ」
P「待て待て、伊織」
伊織「でも…」
千早「私なら、大丈夫」
伊織「だったら、私はいいんだけど」
千早「水瀬さん、ありがとう」

いおりんもホント気遣いのできるいい子。
皆はテーブルに通され、高木社長はカウンターの黒井社長の隣に座る。

黒井「ふん、私を笑いに来たのか?」
高木「そんなつもりはないがね」
黒井「いいか、これだけは言っておく。私はお前に負けたつもりはないからな」
高木「ふふふ」

奥から善澤記者、黒井社長、高木社長の順番で座っている。
やっぱり黒井社長と高木社長だけでなく、善澤記者も旧知の間柄なんだな。

千早「素敵なお店ね」
春香「うん」

フロア全体の照明が少し落とされて、グランドピアノのある低いステージに女性が立つ。

春香「あれ? 何かな?」

そして、スポットライトが照らしたのは…

春香・千早「「え?」」

小鳥さん!
曲は「花」(「MASTER LIVE ENCORE」収録)、本当に小鳥さん回だったー!
ぐぬぬ、こんなところでこっそり歌っていたとは…
確かに、ピアノ曲ですし!

高木「まったく、君は変わらんな」
黒井「お前には言われたく無い」
善澤「まあまあ」
黒井「ふん」
高木「そうだな、変わったのは私の方だったな」
黒井「いつからそんなに甘くなったんだ」
高木「甘くなったつもりは無い。あの子達を、アイドルを信じているだけさ」

りっちゃん車も到着し、残りの面々が店に入ってくる。

黒井「アイドルと信頼関係だと? 馬鹿馬鹿しい!」
高木「そうかい? 君のところの三人も、あれはあれで、なかなかいい子達じゃないか。もう少しお互い分かり合って…」
黒井「大きなお世話だ。お前は何も分かって無い」
高木「あぁ、そうかも知れないな。ただ、若い人達を信じて、自由にやらせてみるのもいいと思うがね。彼等に気付かされる事もある」
黒井「失礼する」
高木「最後まで聞いて行かないのか?」

答えずに立ち去る黒井社長。

善澤「根は悪いやつではないんだがな。困ったもんだな」
高木「想いが強過ぎて、表現方法を間違ってしまう。そんな不器用なヤツなんだよ」
善澤「ふむ」

皆はテーブル席で小鳥さんの歌声に聞き惚れている。

社長「どうだい? 驚いたかい?」
春香「…あ、はい」
P「音無さん、楽しそうですね」
社長「あぁ、そうだな。歌う楽しさや喜びは、人それぞれだからね」

店を出て、夜の街を歩く一同。
美希と千早と春香が一塊で話していて、赤羽根Pはりっちゃんと小鳥さんと並んで歩いている。

P「音無さん、アイドルも夢じゃなかったんじゃないですか?」
小鳥「ふふっ、女には色々な過去があるんですよ。ただ、今の私は、こうして時々歌が歌えれば、幸せかなぁって」

SPで張られた伏線が、回収された様な、全く回収されてない様な…
こーゆー「完全に回収しちゃいけない」伏線のぼやかし様が、歯痒いけれど上手いなぁ。
「ご想像にお任せします」と。SPの時もそれに刺激されて素敵な同人作品がたくさん生まれたわけですが、今回も更に?
このタイミングだと冬コミには間に合わないのが普通なので(突発コピー誌で無理矢理間に合わせる猛者もいるでしょうけど)、この先半年以上様々な「過去編」が紡がれる事になるわけです。

美希「なんだか小鳥、すごく幸せそうだったの」
春香「うん、お客さんも、すごく喜んでたし」
千早「ええ」

そして、千早がポツリと一言。

千早「アイドルって、何かしら?」
春香「え? うーん…」
美希「美希的には、キラキラーって輝いてる人かなって思うなぁ。見た人みーんな、まぶしー!って感じで、ドキドキしちゃうカンジ?」
春香「キラキラで、ドキドキかぁ…」
千早「そうね。人の心に幸せを届ける事が出来る人、って事なのかもしれない」
春香「幸せ…」
千早「私はそれが、歌で出来るようになりたいと思う」
春香「…そっか」

おいおいおい、どうなってるんだこれは?!
第一話で投げかけられた問いの答えに、少なくとも千早と美希は辿り着いてるじゃん。
これ、このまま最終回じゃないの? もしかして、終っちゃわないように春香さんの答えだけを保留させたの?

一方のオトナグループ。

小鳥「もちろん、それは人それぞれですけど、今の私の夢は、みんながトップアイドルになってくれる事なんです。そのお手伝いが出来れば、私は、幸せなんです」

そんな小鳥さんを幸せにしたいです。
中の人は無事に幸せになってるっぽいので、

春香「うぅっ、寒い!」
美希「冷たいの! はぁ」
千早「もうすぐクリスマスね」
春香「ぼやぼやしてると、今年も終っちゃうよ」
美希「車まで競争なの!」
春香「あ、ちょっと待ってよ。美希!」

美希が走り出して、前を歩いていた仲間達とのじゃれあいが止め絵で展開されて、エンディング突入です。
前から、あずささん・伊織・貴音・やよいグループ、響・真・雪歩グループ、亜美・真美グループ、美希・春香・千早グループ、律子・赤羽根P・小鳥さんグループだったみたい。
最初はあずささんの姿が見えなかったから、店に残って社長と飲んでるんじゃないかと思ったが、流石にそんな事は無かった。

Ending

と言う訳で、小鳥さん回を締め括るのは「空」(「MASTER ARTIST FINALE」収録)。
毎度の事ながら止め絵の構図が上手いなぁ。と言うか、回を重ねる毎にますます良くなるなぁ。
小鳥さんホント可愛い。

総括

ハルチハは新たなる次元へ!
個人的には、春香も千早も、響と並んで大好きな子達なので、ここまで優遇してもらって有り難いやら申し訳無いやら…

それはそうと、一気に物語を畳みにかかったので、所々ポカンとしてしまいました。
えーっと、25話まで? あと4話ですか。次回はクリスマス回と言う事で、シチュエーションベースの物語性の薄い回になるんでしょうけど、まさかここまで余裕を残す纏め方に入るとはね。完全に予想外です。
まぁ、最初から「ライバル事務所との対立」は主題ではありませんから、最終回まで引っ張る必要は元々無いんですよね。ゲームの方でも、最後の大舞台を前にJupiterは降りてますし、

小鳥さんにはやられました。
これまた「深く描き過ぎない事」によって綺麗に纏めている。
物足りなく感じる人達にはホント申し訳無いけれども、色々な人が描く「過去編」妄想や同人作品を愛する自分としては、全く文句の付け様の無い最善の「誤魔化し方」なのです。

Jupiterにはもう少し見せ場をあげて欲しかった気もしますが、今回の「小鳥さん回収完了」を以っていつでも終われる状態になってしまったわけで、その事により逆に先の展開が全く見えなくなってしまったような気がします。


アニメ「THE IDOLM@STER」 第21話” への1件のコメント

  1. アイステ関係で検索してきました

    前向きな姿勢で細かいところまでフォローされている記事に好感を持ちました
    ブクマして定期的にチェックさせていただきます

    これからも更新がんばってください

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