木星のこと。


予告からだいぶ遅れましたが、「Jupiter」のお話をしましょう。
タイトルはワザとです。

ここ数日、色々と見て回りまして、「可能性を生み出しただけでアウトなんだよ」と言う主張の存在を知りました。ふーん、なるほどね。そう言われればそんな気も…するわけねーだろ馬鹿w
「いや、その理屈はおかしい」と言うか、遂に便乗アンチが馬脚を現したなぁと言う感じ。

可能性? そんなものは我々オタクにとっては常に無限大の広がりを持つものだろ。作者が「男性が存在しない架空の世界」を設定したとしても、容易にその世界観に男性を持ち込んでNTRを妄想できるのがオタクと言うもの。逆に、それが出来ない人間にオタクの素養は無い。自我の壁の内側において自由に可能性を作り出したり消滅させたり出来るはずの人間が、自我の壁の外側の事象に対してその様な事を言うはずがない。

「可能性を生み出しただけでアウト」の考え方によれば、この世のありとあらゆる作品が始まる前に既に終っているに等しい。
そんな主張は自然な状態のオタクが自然に発想したものではなく、悪意を持って故意に作られた不自然な感覚でしょう。まさに便乗アンチである事の証左だ。

涼ちんや武田さんを例に挙げるまでもない。結局は「可能性の有無」ではなく、そのキャラが好きか嫌いか、なのです。「好きか嫌いか」である事を自覚出来てない状態がおかしい。自分の感情に対して無自覚過ぎるでしょう。「嫌い」と自覚してアンチJupiterを掲げるヒトとは意思の疎通が出来るけど、「DSの二人は憎めないキャラだったから」等と意味不明な言い訳をして、自分の感情を掘り下げられないヒトとはお話にならない。

とは言え…

メタ的な視点で、「誰得」と言うのはありますよね。
その際に気を付けなきゃいけないのは、自分の損得が絡むとメタ視点とは言えなくなる事。前提が「俺はイケメンが気に入らねぇ」なら、その先では常に「俺損」が大きな重みを持ってしまい、「誰得」について考える事は出来ません。もし、誰かの得になる事に気付けたとしても、「そんな事より俺の損が大きいので論じるに値しない」と言う評価によりフィルタされてしまうのです。
その時はもう、この話題はスルーするしかありません。自分に見えないものを論じても意味が無い。

9月20日付けのエントリに頂いた、ゆきさんのコメントは興味深く読ませて頂きました。
折角なので、私もそれまでに考えていた事を書いてみたい。反論ではありませんが、

まず第一に、メーカーにしてみれば、シリーズブランドにファンが付く事は大歓迎でしょうが、「××こそがアイマスである」と先入観や固定観念を持たれるのはノーサンキューだと思います。
例えばアケマスのゲーム性を以って「=アイマス」と定義されてしまうと、難易度を下げまくったSPや、システム自体を全くの別物にしたDSの様な「ユーザ層を拡大する訴求」は打てなくなってしまう。
会社がナンバリングタイトル本編の稼ぎだけで満足するなら話は別ですが、ゲームは当り外れが大きいですから、低コストで展開できる周辺コンテンツを売ってリスクを薄めたり、派生作品により異なるユーザ層を開拓したい。

また、古くからのファンにとっては「ゲームあってのアイマス」でしょうが、新参のファンとメーカーにとっては必ずしもそうではない。特に「利益率のいいコンテンツ」ならば、メーカーはゲーム本編と同等か、それ以上に重きを置いて見ているはずです。
「2」で対戦要素取っ払っちゃうと言う身も蓋も無い判断には、その辺りが透けて見える気もします。

そんなわけで、派生展開は企業としては至上命題です。いずれは「Girls Side(仮)」が出るでしょう。
それを主体的に指揮するのが石原氏なのか、それよりも上のポジションの人なのかは知りませんが、少なくともバンナムと言う企業としては、その派生作品の可能性を否定する合理的な理由はありません。売れると判断できる材料が整えば、作って売るのが当然です。
その時に、モデリングエンジンが流用できるのか、ゲームシステムが流用できるのか、ビジネスモデルが流用できるのか、制作工程管理のフローや経験が流用できるのかは外野からは分かりませんが、バンナムの社内的には過去の経験を生かして作り上げていく事になります。それまで失敗も含めての経験であり、資産です。

と言うわけで、「Jupiter」は「Girls Side(仮)」に向けての実験投入、露払いだと言うのが私の認識です。

ただ、それだけで私が納得しているわけではありません。
ネガティヴな見方ですが、仮に「Jupiter」が「Girls Side(仮)」に向けての手探りだとしても、「2」に投入する事が効果的とは思えないからです。Xbox360の作品に投入しても、「Girls Side(仮)」に向けての観測気球の役目は果たせないでしょう。やるならターゲット層に合わせて、携帯機じゃないのかな、と。

そうは言いつつも、「魅力あるライバル」が女の子じゃダメだったと言う事も分からなくはないんですよね。女の子だと響や貴音みたいに、すぐ「プロデュースできるようになるのまだー?(・∀・ )っ/凵⌒☆」と言う事になってしまう。
人数的にはもう限界でしょう。会話パターンの話を先日書きましたが、(大雑把に考えて)13人だと9人の倍の費用が掛かるとして、前作の倍の価格で売れますか? あるいは、前作の倍の本数を捌けるでしょうか? そりゃ無理だよねぇ。
人数はもう増やせない。キャラクター総入れ替えの覚悟はまだ出来ていない。そうなると、単純にプロデュース対象に追加する事を要望されないキャラクターを追加するとして、こーゆー形になるのかな、とは思います。
(「そもそも対戦中心ならこーゆー形でライバルを作る必要なんてなかった」と言う見方は尤もです。)
(それに、ゆきさんが書いていたように「卒業」もあるべき方向性だと思います。個人の感情としては未練が強いですが、)

そう言った辺りを踏まえて私が5thライブ前に妄想していたのは、「プレイ開始時に1人選んだら、それ以外の中から何人かがランダムにライバル事務所所属となってしまう」と言うシステムでした。パラレルですから、「元々ライバル事務所からデビューしていて顔見知りではない」と言う設定なら、ライバルになっている時の台詞のパターン数はそれほど多くする必要はない。ですが、SPでの美希の移籍騒動を踏まえれば、それも無理なんでしょうね。

でも、否定するほどのものじゃなくね?

正直、「NTR危惧」ってどこまで本気で言ってんのか分からないんですよ。
便乗アンチがかなり騒いでるのは分かりますが、100%ってわけでも無さそうだし…
やっぱカツカレーも危惧されてるの? カロリー高いからアイドル生命に関わるとは思うんだけど、

私が「Jupiter」の在り方において心配しているのは、上述の通り「ちゃんと派生展開に繋がるのか?」と言うメタ的な部分の話であって、「2」の中での「Jupiter」については、全くと言って良いほど心配していません。
既にアイステで冬馬が紹介され、「自信過剰のあまり他者を全否定しがち」と言う性格的な欠点も示されました。となると、これから私達がプロデュースするユニットが最終的に「Jupiter」を打ち負かす事により、冬馬もその否定が過ちだった事に気付いて以下略、と言う話なのでしょう。熱いね!
流石に、SPの様な「元ライバルがプロデューサーを慕って765プロに移ってくる」と言う結末までは心配しなくても…

…ん? ……あ…れ?
つまり、お前らは所属アイドルをNTRれる心配をする前に、自分のケツの穴を心配するべきなんじゃねぇの?
と言うかむしろ、Pは所属アイドルから心配される側なんじゃねーの?

なんてこった、「NTR危惧」はガチムチ派による煙幕だったのか!
おいみんな、内輪揉めなんかしてる場合じゃないぞ。自分の貞操を守るために団結するんだ!
やつらに狙われているのはアイドルじゃない! 俺達だったんだよ!


木星のこと。” への6件のコメント

  1. この騒動全体に漂うゲハ臭、精神年齢の低さ、NTRだの何だのと騒ぐ様子を見ていて、
    『ゲームが若者の心に問題をどうのこうの…』
    というテレビ等の一方的な評論をバカにできないなぁと溜め息をついていたのですが、今回の騒動を冷静にとらえている人がちゃんといる事に安心いたしました。
    できれば、もっと開けた場所で発言していっていただきたいです(笑)。
    ゲハやネットのイナゴさん達が嬉々として火をつけているのは明らかで、
    アクロバティックな曲解で燃えないモノにまで無理に火をつけていく様子には、毎度の事ながら傷つく相手がいる事さえも理解できないのかと怒りを感じていました。
    今は完全にお祭り騒ぎで、凹んでる人も煽ってる人も普通の精神状態ではないでしょうが、まぁ何だかんだで落ち着いてくると思います。
    もちろん、ファンのふりをして不買を煽ったりするゲハや騒ぎたいだけの子供達、そしてそれに乗せられてしまいアンチ化する人もいるかもしれませんが、まぁ仕方ないです。
    結局、趣味は楽しんだ者勝ちですしね。
    個人的には今回の件で原さんが好きになりました。
    ミーハーで正直な人は可愛いです(笑)。

  2. コメントありがとうございます。

    >> だるびっしゅYOU さん

    > この騒動全体に漂うゲハ臭

    あー、やっぱアレは「ゲハ臭」で合ってるんですねw
    言ってる事はすごく「下から」なのに態度は上から目線だったり、内容的には自分の「気に入らない」と言う感情を表明してるだけなのに「広報としてのあり方が」とか言ってみたり、アンバランスな感じ。

    > できれば、もっと開けた場所で発言していっていただきたいです(笑)。

    袋叩きに遭うのが怖いのです。隅っこの方で言わせておいて下さい。
    「状況的に荒れるのは仕方ない。黙って嵐が過ぎ去るのを待つしかない」と言う人達もいて、それはそれで正しい様な気もするので、どこまで発言していいのかも良く分からないんですよね。
    このエントリも「その議論は終わってる。黙ってろ」的な事を言われてますし、(何処でどの様に終わったのかも分からないんですが)

    > 傷つく相手がいる事さえも理解できないのかと怒りを感じていました。

    ただ、その怒りは絶対に相手に届かないんですよね。
    どうしたらいいのかよく分からない。黙るのが一番なのかも…

    > 個人的には今回の件で原さんが好きになりました。
    > ミーハーで正直な人は可愛いです(笑)。

    と言う人も居ると言う事がせめてもの救いかな。
    はらみーとぬーぬーは「これから」の人達ですから、

    嘘の下手な人が「自分の事を棚に上げる人達」に叩かれるのは見たくないですね。
    例によって上から目線で「人気商売なんだからオタからどう見られるか意識して喋れ」とか偉そうな事を言う人も居ますが、何様のつもりか、と。

  3. 返信ありがとうございました。
    確かに今は、まともな事を言ったら袋叩きにあってしまいますね(笑)。
    色々な事情でゲハの動きを観察していた時期があるのですが、あそこの動きはまともに考察できるものではなく、頭が痛くなってきました。
    叩かれないソフトといえば無名なモノくらいで、アイマスのようなビッグな独占タイトルがボロを出したとなれば最高の餌場ですよね。
    もちろん今回はNTRが主食のイナゴさん等も相当いらっしゃってるようですけれども。
     
    まぁしかし阿鼻叫喚だった某ニコニコ動画でも少しずつ前向きな動画も作られ始めているようですし、ファンの方たちについては実はあまり心配していなかったりします。
    進む方向に賛否はあれど、作り手側の面白いモノを作ろうという熱意は強く感じますし、声優さん達の情熱や作品への愛着は他に例がない作品だと思います。
    嵐が過ぎ去るのを待って、またみんなで盛り上げられれば良いですね。
    それでは、これからも更新を密かに楽しみにしております。

  4. こんばんは。「可能性を生み出しただけでアウト」についてです。
    これが便乗アンチの証左とは思えません。
    たとえば、あずまんがであったり、らき☆すたであったり、けいおん!であったり……
    って全部萌え系四コマですが、ネームド男性キャラの存在をできるだけ排除している作品は沢山あります。
    これはそういう世界の方を、居心地良く感じる読者がいるからでしょう。
    アイドルマスターのファンの中にも、そういう層は一定数存在するはずです。
    男性キャラ登場が許せないのは、オタクとしてレベルが低い、という主張は一理ありますが、
    だからといってアンチとは決めつけられないかと思います。
    Ataliaさんとは違うタイプのファン、というだけではないでしょうか。

  5. >> ロカさん

    コメントありがとうございます。

    > たとえば、あずまんがであったり、らき☆すたであったり、けいおん!であったり……
    > って全部萌え系四コマですが、ネームド男性キャラの存在をできるだけ排除している作品は沢山あります。
    > これはそういう世界の方を、居心地良く感じる読者がいるからでしょう。

    なるほど、「ネームド男性キャラ」ですかw
    「けいおん!」はアニメだけ、「らき☆すた」は両方見てないので、例示して頂いたものの理解に不足があるかもしれませんが、確かにそれらの作品では男性は(一部の例外を除いて)モブキャラ扱いであり、存在していてもまるでソフトフォーカスのフィルタを掛けた様に薄められていますね。

    ですが、それらは『一人称主人公』を持たない作品ではないですか。
    小説やゲームでは基本的に主人公の一人称で描写されるものが多く、プレイヤー・読者は主人公に主観を預けるカタチで作品の中に没入します。
    アイマスもまた、プレイヤーは男性と仮定された765プロの新入社員としてゲームに参加し、オーディションにおいては他のプロデューサー達とも(多くの場合)「ネームド男性キャラ」として相対する事になる。

    女の子達がほのぼのゆるゆると日々を過ごす様を、当事者ではない神の視点(作中の人物達よりも上の次元)からただ見守る作品では、「男性の存在感をできるだけ薄め、排除する」描写ルールを設ける事は出来るでしょうが、当事者として作中の人物に働きかけ、更には他のプレイヤーとも競い合うアイマスの世界が「これまでは男性を描かない描写ルールになっていた」と言われると、疑問に感じます。自分がその世界に分身を投影し、更には自分と同様に投影・没入した男性が多数存在する事も前提として理解していた世界、ではないのか、と。

    まして、SPでは美希が「ネームド男性キャラ」に騙され、連れ去られてるんですよ?
    まぁ、ウチの千早の活躍もあって無事に奪還しましたけど、幾ら黒一色といってもアレはもはやモブじゃない。

    …と、ここまで書いて、他のプロデューサー達との対戦が必須でなく、かつ、黒井社長も武田さんも五十嵐局長も谷山君もいない「箱マスP」の視点だと、アイマスは「(自分以外の)ネームド男性キャラの存在をできるだけ排除した世界」と解釈できるのかも、と思い始めました。
    ぐぬぬ、もう少し考えます。

  6. 返信ありがとうございます。

    『一人称主人公』の不在ですか……それは確かに大きな違いです。うーん。
    私も全く詳しくないのですが、ゲームだと「シスプリ」とかはどうなんでしょう。ネームド男性キャラいるのでしょうか。

    おっしゃる通り、「閉じた楽園的世界」を求めるのは箱マスPに多いのかもしれませんね。
    ちょっと付け加えると、黒井社長にグラフィックがあって、イケメンだったら、
    当時も結構問題になってたかもな、と思います。

    この「可能性を生み出しただけでアウト」という言葉も一人歩きを始めているようで、
    Ataliaさんの貼ったリンクの大百科記事も、
    この記事が書かれた23日時点と今では、言ってることが結構違いました。
    今の記事も、もともとの動画で総統閣下が言ってたニュアンスとは、ずれてると思います。
    あの動画も、アップされた直後は、単純に総統閣下と共に悲しむ人と「wwwww」しかなくて平和でした。確か。

    こちらには主に、ラジオdeアイマSTAR☆のレビューを読みに来させていただいています。
    これからも更新楽しみにしています。頑張ってください。

Atalia へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

機械投稿阻止のための画像認証 * Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.