アニメ「THE IDOLM@STER」 第26話特別編

本日6月17日午前3時30分(6月16日27時30分)より、BS-TBSにて、当初はBR/DVDにのみ収録されてテレビ放送はされないとされていたオムニバスエピソード「特別編」が放映されました。

6月28日のBR/DVD第9巻発売より前に内容に言及するのはネタバレじゃね?と言う話もありますが、現実的な問題として、ネタバレ配慮以前にライブ前に「特別編」の感想を書くのは私のリソース的に難しいかな、と。
実際に「特別編」の感想を書き終えられるのはBR/DVD発売以降になるかと思いますが、忘れないようにここにエントリを立てておきます。

《あにますまにあ》 26話を「みんなといっしょに!」見ようの会 『みんなと!』

そもそもの発端は、くれはP企画の7thライブ中打ち企画「キサラギ」に参加したかったんだけど、当初は両日参加できるかどうか分からなくてもたもたしていたら受付を締め切っていた、と言うのがありまして、その後キャンセル分の追加募集もありましたが、「ぼっち優先」等の条件もあり、その趣旨は理解しましたので、いつもの仲間と3人で7thライブ両日参加となる自分としては追加募集の方への申し込みは自重、であればと言う事で「26話を見ようの会」の方へ申し込みさせて頂いた次第です。
アニマス本放送時から「あにますまにあ」の盛り上がりは伝わって来ていましたし、一度はそれを見ておきたいとも思っていましたので、この特別編はまさに振って沸いたチャンスでした。

それともうひとつ、来週の7thを前に、久し振りに「Pヘッド」を被って身体を慣らしておこう、とw
いや、アレはアレで色々あるんです。暑いし、空気が篭って軽く酸欠になるし、視界が悪いし、音も聞こえ辛いし、首周りの不自由のせいか肩が凝るし…そーゆーのを久し振りに体感して、本番に向けて覚悟を決めておこうと言う事ですね。
私の「Pヘッド」稼動は過去3回、6th東京公演の物販待機列および開場待ちと、池袋「READY!!」発売記念イベントの整理券待機列およびハイタッチ会、池袋「CHANGE!!!!」発売記念イベントの整理券待機列およびハイタッチ会です。その後、冬にもアイマスイベントは色々ありましたが、WINTER C@RNIVALの様に会場周辺スペースに余裕が無いために、稼動を見送っていました。なので、かなり間が空いているわけです。

この日は24時(日曜0時)開始予定でしたが、当日になって前倒しで23時30分から入れるようになったそうです。
私はと言うと、23時以降の中央・総武線の接続が思ったより悪く、0時から20分ほど遅れて到着。
既に会場内ではフロアのスクリーン側半分にコールで盛り上がる一団が…w
いえ、全員と言うわけではなく半分ほどなんですけどね。

会計を済ませ、主催に御挨拶して、フロア後方で「Pヘッド」展開しておりました。
今回は試みにヘッド内にLEDを灯してみたのですが、頭頂部からぶら下げる形にしたため、少し動いただけでふらふら揺れて、ヘッド内ではLEDに照らされる領域と自分の頭部の陰になる領域とが絶え間無くチラチラ動き続ける状態に。あまりにも鬱陶しかったので途中で消灯しました。あれは固定しなきゃダメですね。何事も試してみないと分からないものです。まぁ、本番は昼間の屋外なので、そもそもLED使わないんですけど、

もうひとつ、過去の教訓に基き試してみないといけないのが水分補給。
今日は飲み放題と言う事で、カウンターでジントニックをオーダーします。
周囲から「あいつ、あの頭でどうやって飲むつもりなんだろう」と言う好奇の視線を集めつつ、背広の内ポケットから個包装された長いストローを颯爽と(?)取り出して、ドヤ顔で(←見えません)ロンググラスへイン、飲める! 私にも飲めるぞ!!
本番運用上の懸念としては、通常の500mlペットボトルではストローがボトルの底まで届かないと言う事でしょうか。かと言って、ペットボトル用として売られているストロー付きキャップだとボトルの口から外へ伸びる長さが足りないので使えない。短いペットボトル&通常のストローでの運用に限られます。当日の対応は要検討。

等と言うどーでもいい話は置いといて、スクリーンではアニマスダイジェスト上映が始まります。
ストーリーの勘所や名シーンよりは(どちらかと言うと)楽曲に重きを置いたライブ前に相応しい構成で、コール練習会か予習カラオケかと言うノリで盛り上がる皆さん。
私は頭が大きく後ろの人の視界を遮ってしまうので、基本的にフロア後方に居ましたが、この格好のまま楽曲で盛り上がる機会はまず無いため、思わず破目を外して(7thライブでは使えないタイプの)LEDスティックを振ってしまいました。革靴でも意外と飛べるものですね。
で、身体を動かしているとドリンクが進んでしまうわけで…

こ、こんなペースで27時半まで持つんですか?

(続く?)

第26話特別編「765プロという物語」

「Berryz仮面」ってのが何なのかは終ぞ分かりませんでしたが、グリーンとホワイトの身長差に慄きました。
グリーンが特に大きいのかホワイトが特に小さいのかは判断できませんが、グリーンは体格しっかりしてて素敵ですね。きらりんもあんな感じになるのかなぁ。

(感想は6月28日以降に書きます)

アニメ「THE IDOLM@STER」 第25話

いい最終回だった。この半年で何度言ったか覚えて無いけどw
「劇場版キサラギ」ではありませんでしたが、本編終了後にCMでサプライズ発表もありました。
本当に夢の様な半年でした。全ての関係者の皆さんに心から感謝を。
そして、俺達Pの戦いは終らない!

仮眠とらなかったので眠いんだけど、なんか眠れないんだよなぁ。
(全話放送終了に伴い「Read more」記述を解除しています。)

と、

花束を手に、病院の廊下を歩く小鳥さん

小鳥「おはようございます。プロデューサーさん」
P「あっ、おはようございます。音無さん」

ベッドの上で上半身を起こして本を読んでいた赤羽根P、右腕は吊ってて足も固定されているが、首の固定はもう取れていて表情も明るい。
小鳥さんが花束を置いた棚の上には、花の活けられた花瓶やフルーツの籠、リボンの掛かった箱などがたくさん…

小鳥「最近、だいぶ顔色が良くなってきましたね」
P「ええ、お陰様で。今すぐにでも退院したいぐらいですよ」
小鳥「ふふっ、プロデューサーさんって、ホントに仕事熱心ですよね」

窓の外は青空で、小鳥の囀りが聞こえる。
花瓶の花はさっそく小鳥さんが持ってきた花に替えられている。
メロンと林檎の見える大きなフルーツ籠は伊織からだろうか? その後ろの縦長の包みはお酒かな? あずささん?
「初摘み お茶」の缶は雪歩のお仕事絡みとして、手前のリボンの掛かった箱と袋は?

小鳥「いいお天気ですね」
P「ええ、ライブ日和ですね。音無さんは、あっちに行かなくてもいいんですか?」
小鳥「はい、今日は社長も、現場でお手伝いしてくれてますから」

Pのベッドの傍らで林檎の皮を剥いている小鳥さん。

P「俺、みんなに迷惑かけっ放しですよね。音無さんにも、すっかりお世話になっちゃったし」
小鳥「こーゆー時は、お互い様です。とにかく今は、怪我を治す事が仕事なんですから、それに専念して下さいね」
P「……音無さん!」
小鳥「うん?」
P「あの…ちょっと、お願いしたい事が、あるんです」

真剣で真っ直ぐな瞳の赤羽根P、

Opening

これが最後だと思うと、見慣れたOPも2クール目最初の日の様に感慨深いね。
まぁ、これから暫くは何度も見返すんだろうけど、(^-^;

Aパート

「パシフィコ横浜」キター!
そう、俺が初めて参加したアイマスライブである「3rd Anniversary」、そして、2011年新春ライブこと「THE IDOLM@STER 2 765pro H@PPINESS NEW YE@R P@RTY !! 2011」の会場。
その見慣れた景色を背景に、カラフルに「第二十五話 みんなと、いっしょに!」のエピソードタイトルが表示される。

ライブタイトルは「765Production ALL STARS LIVE 2nd NEW YEAR LIVE いつまでも、どこまでも!」
ホール内ではたくさんのスタッフ達が準備を進めている。
劇伴は「少女たち」ギターデュオバージョン。

雪歩「ステージ、すっごく広かったね」
真「テンション上がるなぁ」
貴音「時は得難くして失い易し。ここは、気持ちを引き締めて参りましょう」
響「プロデューサー、ここに居られないのは残念だろうな」
亜美「あれ?ひびきん、だいぶ兄(C)が恋しくなってるみたいですな」
響「ちっ、違うぞ!自分はただ、プロデューサーがライブを楽しみにしてたから!」
律子「こら、亜美、響をからかう余裕があるなら、ストレッチを…って、あら?その袋は何?」
真美「りっちゃんもちゃーんとストレッチしといた方がいいと思うよ」
亜美・真美「「うしししし…」」
律子「うん? 何よ、その笑いは」
真美「いえいえ」
亜美「気にしない気にしない」

まwさwかw
いや、むしろ最終回だからこそ、か。
ストレッチしながらその様子を笑顔で見ていた千早、ふと目で春香を探す。

別室(「楽屋N1」)にて、林立するペットボトルの水を手に取る春香。
そこに美希も入ってくる。

春香「美希も、お水?」
美希「うん」
春香「はい」
美希「ありがとうなの」
春香「いよいよだね」
美希「うん」
春香「…あのね。美希」
美希「なぁに?」
春香「前に、『アイドルって何だろうね?』って、話した事、あったよね」
美希「うん…」
春香「あの時、千早ちゃんと美希は、ちゃんと答えを持ってたのに、私だけ、なんだかはっきりしなくて…」

劇判「Night」のピアノソロバージョン
春香を探しに来たのであろう千早が、部屋の入り口で足を止める。

春香「でも、今は自信を持って、こうだって言えるよ。私、やっぱりみんなと同じステージに立つ時が、一番楽しい!ファンのみんながいて、765プロのみんなが居る。私は、この瞬間が一番『アイドルなんだ』って思うんだ」
美希「(笑)…実に春香らしいの」
春香「えへへ」
美希「うん…美希も、それでいいんじゃないかなって、思う」

第一話で投げかけられたテーマ、作中時間で一年間、視聴者時間で半年かけて描かれた物語が、ひとつの答えに辿り着く。
再び「リハーサル室」にて、

社長「諸君、準備は万端かね?」
一同「はい!」
社長「うんうん、いい返事だ。今日は、我が765プロ始まって以来の大舞台を迎える事になったわけだが、みんな、忙しいスケジュールの中で、よく今日まで頑張ってくれた。本来ならば、この場に居ない彼もまた、君達に励ましの言葉を掛けたかっただろう。しかし、残念ながら、まだ…あぁっ、いかんいかん、湿っぽくなってしまったな。そうだ!気分を盛り上げるために、私の手品で、パーッと、みんなのテンションを上げてだなぁ…」

社長の手品、即ち、中断フラグw

美希「ハニー!」
社長「おっ、おぉっ、き、君!どうしたんだね?!」

部屋の入り口に赤羽根P、小鳥さんに車椅子を押してもらっての登場です。
流石に片腕吊ってる状態では松葉杖とも行きませんわな。

P「来ちゃいました」
一同「わぁっ!」
真「プロデューサー!」
真美「兄(C)だー!」

Pに駆け寄る一同。

響「心配してたんだぞ!」
真「もう外に出て大丈夫なんですか?」
伊織「ちょっと!そんな痛々しい姿で無理して来なくていいのよ?!」
P「いやぁ、運動神経には自信があるつもりだったんだけどな。面目無い」
律子「でも、よく病院の外出許可が取れましたね」
小鳥「みんなの晴れ姿をどうしても見たいって…」
やよい「えっ?もしかして、黙って来ちゃったんですか?」
P「まぁ…そうかな」
一同「「えーっ?!」」
社長「まあまあ、来週には外出許可も出る予定と聞いていたから、いいんじゃないかねぇ?」
律子「もう、社長まで!」

仕方ないね。
物語上の演出です。病院に迷惑をかけぬよう、くれぐれも真似をしないで下さい!

P「みんな、改めて、済まなかった。レッスンもみんなに任せっ放しになってしまって、みんながどんな状態かも分からないままで、正直、今日を迎えるのが心配だったけど…」

皆を見回す赤羽根P。

P「顔を見て安心したよ。今日は絶対、最高のステージになる。俺が保障するよ!」
一同「うん!」

顔を見合わせて微笑む千早と春香。
ホールの外はもう日が暮れて、入場待ちの列が形成されつつある。
ステージではスタッフが確認を進めていて、ロビーは物販の客で賑わっている。
壁にはメンバーひとりひとりの全身が写った大きな幕が吊られ、その前で記念撮影している女性客も。
そして、たくさんのフラワースタンド、溢れんばかりのプレゼントボックス…
リアルなアイマスライブの空気感がたまりません。

P「みんな、今日のこのライブが、どれほど多くの人に支えられているかは、もう分かっていると思う。今日はその人達の思いに応えて、精一杯、自分達の力を出し切ろう。」

ひとりひとりに語りかける赤羽根P、

P「春香、美希、真、雪歩、亜美、真美、伊織、やよい、響、貴音、あずささんが居て、千早が居る。それから、律子。あとは、社長と音無さんも、いつも傍で俺達を支えてくれている。誰か一人でも欠けたらダメで、この全員で、765プロなんだと思う。団結した765プロは、きっと無敵だ。一緒に最高のステージを作り上げよう!」
一同「はいっ!」

そして、解散後に春香さんへも、

P「春香」
春香「はい」
P「ごめんな」
春香「うん?」
P「俺、肝心な時に全然役に立て無くて、本当に、ごめん」
春香「(黙って首を振る)」
P「でも、春香は一人で見付けたみたいだな。あの時の答え」
春香「はい」
P「そうか…頑張ったな!」

目を潤ませながら、笑顔で頷く春香さん。
ホント、頑張ったね。

入場の済んだ会場は見慣れたいつもの光景。気の早い連中が既にサイリウムを折っている。
関係者席なのだろう、善澤記者の姿も。

P「よしっ、みんな、悔いの無いよう、力いっぱいやりきって来い!」
一同「はいっ!」

バックステージにはダンスやボーカルの先生の姿も、これは嬉しいね。
流石にここでは台詞は無いですけど、

春香「行くよっ! 765プロー、ファイトー!」
一同「「オーッ!」」

そして、ステージに並ぶシルエット。
最初の曲は「READY!!&CHANGE!!!! SPECIAL EDITION」
大きなステージは、上段上手からやよい、貴音、響、真、あずささん。
下段上手から雪歩、千早、美希、春香、伊織、真美、亜美。
バイタルサンフラワーを思わせる黄緑と黄色の衣装と、スノーストロベリーを思わせるピンク系の衣装が交互に並んでいる。

歌い出しのパートを〆る「私No.1」は当然春香さんアップで、その後の前奏ではあずささんの華麗な足裁きからの、やよいの元気いっぱい全身を使ったアピール。
ひとりひとり、すっごい動いてて感涙物ですよ。誰一人として出し損ねが無い。
サビに入ってからのカメラワークは本当にアニメならではだなぁ。これは現実では絶対に出来ない。
サビでカメラに投げキッスでアピールする伊織。流石である。

そして、TVサイズの「READY!!」のラストから「CHANGE!!!!」イントロへと繋がるメドレー仕様。
ここのやよいがもう卒倒するほどかわいい。

「CHANGE!!!!」もOP再現な構図あり、俺の千早にハートを打ち抜かれる最高の笑顔ありで、もうお腹一杯です。
あー、何度でも繰り返し見たい。何度見ても胸が躍る。

Bパート

恐らくはライブも既に終盤なのであろう、また別の衣装でステージに立つ一同。
曲終わりの拍手の中、ステージから客席を見渡すアングルで始まる。
(このアングルがゲーム内で登場するのはDSだけ!)
汗だくで、息を切らせながらのMCパート…

春香「後ろの人も、ちゃーんと見えてるからねー!」

お約束の流れですね。

春香「ホント凄いよね。こんな大きな会場で、こんなにいっぱいのファンのみんなに囲まれて歌えるなんて」

劇伴は「i」ギターデュオバージョン。

美希「美希、今日はここんところがすっごくドキドキしてるの。みんなはどうかなー?」

歓声と拍手で応える観客。

美希「美希、キラキラしてるー?」
観客「「してるー!!」」

おぉぅ、胸が熱くなるなw

真「へへっ、僕達が今まで頑張ってこれたのは」
雪歩「こうやって、応援してくれる皆さんが居るからなんです」
あずさ「本当に、いつもいつもありがとう」
観客「(歓声)」
伊織「ちょっとちょっと、振り返るのはまだ早いんじゃない?」
響「うんうん、自分達の活躍はまだこれからなんだから」

時はまさに最終回、俺達の戦いはこれからだ!

やよい「もっともーっと、私たち頑張らなきゃですよねー」

あぁっ、客席の方じゃなくて横に並び立つ出演者の方を向いてる。
この身体の向き、角度がすっごく真耶ちゃんっぽい!w

貴音「そうですね。しかし、まずは本日のライブを、大成功させねばなりません」
亜美「会場の兄(C)、姉(C)!」
真美「今日は最後の最後まで楽しく、みんなで遊ぼうね」
千早「私も、皆さんの心に届くよう、残りも力の限り、歌います!」

たくさんのサイリウムを振って歓声で応える観客。
そうだね。バルログだね。片手4本、両手で8本だね。

春香「それじゃあ、そろそろ行きますか!」
伊織「その前に…」
亜美「んっふっふ~、今日のサプライズゲストだよ! どうぞ!」

ステージ中央のモニターには、控え室のりっちゃんの映像が、

律子「ちょっとあんた達、これどーゆー事なの?聴いてないわよ!」
あずさ「竜宮小町のプロデューサー、兼、アイドルの秋月律子さんです」
観客「「りっちゃーん!!」」

客席も弁えたものである。

美希「今夜は美希達と一緒のステージに立ってくれる事になったの。ね?」
千早「律子、ありがとう!」
亜美「りっちゃん、早くこっち来てよ~」
律子「…わ、分かったわよ。もう!」

まぁ、ここでハブは許されないよね!
ってか、今の「まんざらでもない」感じのりっちゃんが殺人的にかわいいわけだが、

そして、控え室。

律子「…はぁ、まんまと嵌められたわ」
P「みんな、律子と一緒に、ステージに立ちたいんだよ。だって律子も、765プロの一員じゃないか」
律子「…じゃあ、ちょっとだけ行って来ますね」
P「あぁ、楽しんで来い!」

あぁっ、またしても「まんざらでもない」感じのりっちゃん!(じたばた)

社長「目標に近付いたかな?」
P「え?」
社長「彼女達こそ、私が事務所を作ってまで追い求めた、アイドルの完成形なのかもしれない。…君が、レールを敷いてくれたんだよ」

控え室を見渡す、社長、小鳥さん、赤羽根Pの後姿。

P「…いえ、俺も、みんなも、まだこれからです」
社長「…そうか。そうだな。…さて、私達も行こうか」
P・小鳥「「はい!」」

そして、りっちゃんの加わったステージ。

春香「じゃあ、今度こそ行きますよ。私達の新曲です。聴いて下さい!」

と言う訳で、新曲。
ステージシーンではなく、これまでのシーンをまとめたPV風になっています。
あー、ライブタイトルを初御披露目曲のタイトルにしたかったわけね。
うん、それならそれで話を通しておくべきだったよね。

「いつまでも、どこまでも」
(作詞:畑亜貴 / 作曲:佐々木宏人)

本気が見たい? Ah,an!!
本音で今日も踊ろう
指を動かしたら
小さく I love you
上手になれる? Ah,an!!
上昇どんどん進もう
腕は羽根みたいに
遠くに Fly with you
選ばれてみたい
光のステージ
努力は魅力?
頑張れ私!今!!

でしょう? きっと輝いて
でしょう? どこまで、までも
でしょう? 夢の始まりは
ふとした偶然でしょう

この憧れはもっと
いつまでまで までも
希望、乗せて微笑みを
届けに行くのでしょう

しちゃう? でしょう?ってことは
しちゃう? でしょう?ってことね

私達の未来 探しにいかなくちゃ
私達は諦めない 心が呼ぶ未来

(間奏)

でしょう? きっと輝いて
でしょう? どこまで、までも
でしょう? 夢の始まりは
ふとした偶然でしょう

この憧れはもっと
いつまでまで までも
希望、乗せて微笑みを
届けに行くのでしょう
Ah,an!!

「CHANGE!!!!」のアレンジの劇伴の中、拍手と歓声に満たされるホール。
汗だくになりながら、満面の笑顔で手を振って観客に応えるメンバー。
りっちゃんに抱きつく竜宮小町の三人。
舞台袖では感涙にむせび泣く小鳥さんと、その肩に手を添える社長。
赤羽根Pの視線の先には、サイリウムの揺れる客席と、一列に並んで手を振るメンバー達の後姿…。

そして、巻き起こるアンコール。

春香「まだ、行けるよね?」
美希「もちろん!平気なの」
千早「すみません、もう一曲願いします。曲、出ますか?」
春香「それじゃ、まだまだ行くよ~! 765プロ、ファイトー!」
一同「「オーッ!」」

パシフィコ横浜の明かりが眩しい。
あぁ、本当にいいライブだった。渋谷で飲んで感想戦してから帰ろうぜ。

そして月日は経ち、桜の頃…

P「ただいまー」
一同「お帰りなさい!」

事務所のドアを開けた赤羽根Pに寄り添う小鳥さんの正妻っぷりに噴いた。

美希「ハニー、会いたかったの!」
やよい「もう大丈夫なんですか?」
真「僕、肩貸しますよ」
P「ありがとう、もう大丈夫だ。…やっぱり、ここが一番落ち着くなぁ」
伊織「なーに爺臭い事言ってんのよ」
真美「そうだよ。兄(C)いじれなくてずーっとつまらなかったんだから」
亜美「うんうん」
P「みんな、長い間留守にして、悪かったな」
律子「いいえ、その分、私達も、自分達の事を見つめ直す、いい機会になりましたから」
千早「あと、如何にプロデューサーが、765プロにとって大切な人かと言う事も」

笑顔の一同を見回す赤羽根P、

P「…そうか」
美希「あのね、ハニー。『生っすか』の事なんだけど、リニューアルして、春からまた全員で『生っすかレボリューション』になったんだよ」
P「えっ?! 俺聞いてないぞ」

生である(メンバー全員が毎回拘束される)と言う最大の問題は解決して無いんですか?w

春香「あと、私と美希のミュージカルも、全国公演になったんですよ!」
P「す、凄いじゃないか! やったなぁ」
律子「驚くのはまだ早いですよ、プロデューサー」
小鳥「ジャジャーン!」

事務所レベル一気にアップで品川移転ですね!

P「こ、これは…?」
社長「どうだい? これが、新事務所だよ」
P「新事務所?! これが!」
社長「いやぁ、幸運にも、格安で入れる話を貰ってねぇ。」
律子「お陰で事務所の金庫はまたしてもすっからかんですけどね」
P「社長、これ、ホントに格安ですよ!」
社長「だろ?」
P「えっと、なんて会社だ? ブラックウェルカンパニー?」
伊織「聞いた事無い会社ね」
春香「あぁっ! テ、テレビ!!」

ブラックウェルカンパニーの倒産を伝えるニュース。

響「…ぇ、これ、どーゆー事?」

どうやら黒井社長がグループ企業を計画倒産させたっぽい。おいおいおい、そこまでやるか!
うーん、ずっとゲーム版とは全然違う描かれ方ではあったが、
そうですか。そこまで行っちゃいますか。

律子「…って事は…」
社長「…すまん、みんな。騙されたようだな」
一同「えーっ?!」

こうやって「すっからかん」に戻るのは、「Your Song」ネタでもあるんですよね。
外はもう桜の季節。あぁ、第一話からもう一年経ったんだなぁ。あっと言う間だった。
公園の満開の桜の下を歩く一同と、最終回エンディング曲「いっしょ」。
そして、スタッフロール。

律子「はぁ、やっと大きな事務所に移れると思ったんだけどなぁ」
あずさ「仕方ありませんね」
亜美「つまんないの」
真美「超がっかり」
伊織「どうせそんな事だろうと思ったわよ」
真「今の事務所の階段の登り降りで、体が鍛えられていいんじゃない?」
響「とは言え、やっぱりがっかりだったなぁ」
美希「そう? 美希的には、結構ここも悪くないなって思うけどなぁ」
やよい「おっきいビルはお掃除大変そうですしね」
雪歩「あんまり広いと、落ち着かないよね」
貴音「住めば都、と言う言葉もありますし」
千早「そうね。ここには、たくさんの思い出が詰まっているもの」
春香「また、一から始めればいいんじゃないかな。みんなで、一緒に!」
P「そうだな」

皆で食べ物を持ち寄ってのお花見のようだ。
伊織の持ってきた豪勢なお重に目を輝かせるやよい、社長と肩を組んで歌う赤羽根P、缶中ハイですっかり出来上がって亜美亜美を両肩に従えるご機嫌のあずささん、池を泳ぐ鴨先生、そして、千早が作ってきたお弁当…

ここまで止め絵ベースでのエンドロールだったが、一旦スタッフロールを中断して再びアニメパートへ。
クーラーボックスを覗き込む春香さん。

春香「あれ? 飲み物もう無いよ?」
P「じゃあ、俺が買ってくるよ」
春香「あ、いえ。プロデューサーさんは、今日はゆっくりしていてください。私が行って来ますから」
千早「春香、私も行くわ」
P「あぁ、ちょっと待ってな。今、お金を…」

ポケットから財布を出す赤羽根P、

春香「あっ、それ…」
P「あぁ、使わせてもらってるよ」
春香「嬉しいなぁ、えへへ」

と、そこに美希が首をつっこむ。

美希「むぅ、なになに? もしかして、春香のプレゼントなの?」
P「あぁ、退院祝いでな」
美希「むー、ダメダメ! いくら春香でも、ハニーは渡さないんだからね!」

春香に取られまいと赤羽根Pの腕に抱きつく美希。

春香「えぇっ?!」

少し顔を赤らめつつ否定する春香さん、そんな様子に笑いを堪えきれない千早。
そんな盛り上がりを、少し離れた所から眺めている社長。
傍らには「団結」と言う名の酒が。

社長「いやぁ、本当に今日は、いい日だねぇ」
小鳥「はい、本当に」

社長の紙コップの酒に、一片の桜の花びらが落ちる。

そして、再びエンドロールが再開する。
曲は間奏の台詞のパートへ。

春香「始まりは、今」
千早「終わりに変わっていく」

最初は千早の部屋。かつての段ボール箱がそのまま並んでいた部屋ではなく、
かつて倒されていた写真立てと、優のスケッチブック、春香が千早へ贈った「約束」のノートが並んでいる。

雪歩「でも、それはきっと」
真「新しい始まり」

桜の舞う坂道、
小さなライブハウスで歌うジュピターの三人、
961プロ社長室で高笑いする黒井社長のシルエット。

響「どこだって、行ける」
やよい「みーんな、一緒だもん」
美希「ぜーったい、大丈夫なの」
亜美・真美「「目指す夢は」」
伊織「トップアイドル!」

喫茶店で取材をしているらしき善澤記者。
隣に座っているのは、まなみさん!? と言う事は…
そう、善澤の向かいに座って取材を受けているのは、絵理、涼、愛の876プロの三人。
うーん、素晴らしい。こーゆー「物語は続いていくよ感」はとっても大事。
まなみんは勿論、ファンの多い善澤記者アップのカットを配したのも評価したい。

貴音「この絆と」
あずさ「この願いを」
律子「胸に抱いて」
春香「プロデューサーさん、せーのっ」
全員「ありがとう! これからもプロデュース、宜しくお願いします!」

「シリーズ演出→監督→製作協力」でエンドロールを〆て、再び765プロのお花見へ。
赤羽根Pを中心に、皆で記念撮影を…

あー、台詞パートで決定的に泣かされてしまった。
ステージシーンでも、ライブの終わりのシーンでも泣いたから、もう無いと思ったんだけどな。

アニメ「THE IDOLM@STER」 第24話

春香さんがすごかった。鳥肌が立った。(←小学生並みの感想)

あっけなかったし、分かり易い答えを与えられたわけでもない。
でも、彼女達はまた前へと進むのだ。

綺麗な着地でした。ええ、感想は追々。
(全話放送終了に伴い「Read more」記述を解除しています。)

二十四話「

板張りの舞台の上に、幼少期の春香さんの姿が、

春香「あのね、春香ね。大きくなったら、アイドルになりたい! アイドルになって、それで…」

そして、今現在の春香さん。

春香「私の…私の夢はどこ? 掴み掛けた夢が、零れ落ちてゆく。さらさらと…音を立てて…」

舞台「春の嵐」の台詞と重なっているのだろう。
アニメと同時期にここを読んで下さっている方は御存知と思いますが、この24話と最後の25話、私はなかなか感想エントリを挙げられませんでした。
それは、年末年始で何かと忙しくしていたと言うのもありますが、何より、春香さんの「舞台の演技」とも独白ともつかない台詞が重過ぎたから。
今まで何処でも聴いた事の無い、重い、胸の中の悲痛な叫びを押し隠しているかのような声。
これを、この雰囲気を、単に台詞を書き出しただけで片鱗でも伝えられるのだろうか?
と言うか、これを伝える言葉も持たないのに感想エントリなんぞ挙げて、何の意味があるだろうか?と、

結局「言葉で伝える事」は諦めて、こうして性懲りも無く台詞書き出してるんですけどね。
ここは是非とも実際に聴いてほしいです。私がそうしたように、24話は何度でも見返して欲しい。
他の人の感想を読んでも、「春香さんには聞こえない」とか、「最初は中村さんそのものに聞こえたけど、見返したら春香さんに聞こえてきた」とか、色々な感想があって面白いです。

Opening

おぅふ、本作三度目の、黒地に文字だけのオープニング。

Aパート

「手術中」のランプの消えた病院の廊下にて、社長から説明を聞く一同。

社長「手術はひとまず成功した。脳波にも異常は無く、今後は回復に向かうだろうとの事だ。ただ、当面は絶対安静、面会も控えるように、と。色々、心配だろうが、ファンのみんなのためにも、今は仕事を全うしてくれたまえ。恐らく、彼もそれを望んでいるだろうからね」
一同「はい…」

まだ暗い間にタクシーで帰される美希。
春香はまだ泣いている様だ。

律子「そうよ。だから、そんなに自分を責めないで、春香…」

そして、暫く日が経ったのだろう。

千早「春香…大丈夫?」
春香「…え?」

劇場の前からタクシーに乗る二人。
春香は心此処に在らずと言った様子…

春香「…大丈夫だよ」
千早「ミュージカル、主役、決まったのね。おめでとう」
春香「へへっ、夢みたいだね。まるで…」

再び春香の舞台の練習風景に、

春香「夢だったの? …あの楽しかった日々は、一体何処へ…。時は過ぎて行く。私一人を置き去りにして…どうすればいいの? 私は、一体どうすれば!? …分からない、私には分からない!」

楽しかった日々を想う春香。
その鬼気迫る台詞に、見ていた美希も息を呑む。

春香「頑張らなきゃ…頑張らなきゃだよね?」

春香が見つめるのは、自分の足元の板張りの床。

春香「どんなに醒めようと、私はまた、夢を見るだろう…そう、信じていたのに。時は過ぎて行く。私一人を置き去りにして…どうしたら、いいの? 私は、一体どうしたら…分からない。私には、分からない…」

舞台向けの発声から、素の発声へ、想いの吐露へと移り変わる瞬間に鳥肌が立ちました。
舞台の練習は続き、その合間には一人でニューイヤーライブのための自主練習。レッスンスタジオに一人座り、鏡の中の自分と向き合う春香…

そして、ある日の移動中。
ガラガラの地下鉄の中でスケジュール帳と携帯電話を開いて確認をしていた春香は、屈む様にして携帯電話の画面に見入って、メールの履歴を追い始める。
合同練習のスケジュールを合わせられない事を詫びた内容であろうメールタイトルが何件も続き…

春香「無理なのかな? もう…」

そうして遡っていく内に、クリスマスパーティーを企画した時のプロデューサーのメールに辿り着く。
それを読んだ春香は、ただ一言、すがる様な声で漏らすのだった。

春香「プロデューサーさん…」

恐らくは舞台の稽古の合間であろう、劇場のロビーの様なところで律子Pに談判中の春香。

律子「ミュージカルの稽古を休みたい?」
春香「ミュージカルだけじゃなくて、他の仕事も、できれば。私、ライブに集中したいんです」
律子「ちょ、ちょっと、どーゆー事? そんな事、できるわけ…」
春香「このままだと…私達のライブ、駄目になっちゃいます。全然、みんなで練習できて無いし」

表情に生気が無い春香。

律子「それは分ってるわ。だけど、みんな個人練習はしてるでしょ? 全体練習は足りて無いけど、ライブをやらないわけじゃ無いんだし…」
春香「でも! もしかしたら、このライブが全員でやる最後のライブかも知れない。だから、みんなで、一緒に練習を!」
美希「春香はワガママだよ!」
春香「…美希」
美希「春香、主役なんだよ?春香が居なかったら、他のみんなの稽古もストップしちゃうんだよ?」
春香「あ…」
美希「美希、絶対主役やろうって思った。本気だったよ。でも、春香の演技はもっとすごかった。だから諦めたのに、春香はそれを棄てちゃうの?!」
春香「わ、私…私だって、頑張りたいよ。私だって、主役嬉しかったもん。でも、このままじゃみんながバラバラに…お願い、ライブが終るまででいいから、私だけじゃなく、みんなも、みんなも一緒に練習しないと!」

この拘りは最早、病的にさえ見える。
少なくとも春香以外の皆にとって、全体練習はクオリティを高めるための「手段」でしかないはず。
「みんながいい」の度を越した「みんなでなければダメになってしまう」では、理解されないのではないか。

律子「春香、無理言わないで。急に休むなんて、そんな事…」
春香「スタッフさんには、私が頭を下げてお願いします。ライブが終ったら、今までの倍、いえ、三倍頑張ります! …だから、だから、私…」
美希「春香は、どうしたいの?」
春香「…え?」
美希「春香、なんか変だよ。春香は、アイドルになって嬉しくないの? テレビやラジオや、色んなとこでキラキラできるのは、楽しくないの?」
春香「そんな事、ない」
美希「ホントに? 春香、全然楽しそうじゃないよ。楽しかったら、そんな顔しないもん」
春香「はっ……あ…そんな、変な顔、してた? …へへ、やだ………変だね。楽しかったのに…楽しかったはず、なのに、いつからなんだろう…変だね。…でも…私…ただ…私…みんなと…」

春香の様子に、思わず表情が凍りつく律子と美希。
春香の目からは涙が溢れ出す。

春香「…あれ? …どうしたかったんだっけ? …どうしたかったのかな? …分かんない。もう、分かんないよ…」

そんな春香の様子に焦る律子と、呆然と立ち尽くす美希。

千早「春香が?」
律子「えぇ、ちょっと、混乱してるみたいで。暫く、仕事は休ませる事にしたわ。………どうすれば良かったのかしら」

りっちゃんの心痛は察するに余りあります。

場面は変わって、「Honey Heartbeat」が鳴り響くCM撮影。
衣装は「2」の代表的な衣装のひとつ「キャンディレディ」で、着メロ配信サービスの類のCMであろう。

真・雪歩・やよい「「ライブステージが、ケータイに降りてきた!」」

そして、撮影の合間。

真「春香、大丈夫かなぁ…」
雪歩「あたし、何度かメールしてみたんだけど、返って来なくて…」
CMディレクター「お疲れさま」
真・雪歩・やよい「「あ、お疲れ様です!」」
CMディレクター「いやー、いいCMになりそうだよ」
真・雪歩・やよい「「ありがとうございます!」」
CMディレクター「あっ、そうだ。天海クン、どんな様子なの?」
真「え?」
CMディレクター「いや、体調不良とは聞いてるんだけど、長引く病気なのかな?」
真「えーっと、僕達も、詳しくは…」
CMディレクター「そうかぁ…。でも、仕方ないよね。これだけ別々に仕事してたら、お互いの状況なんか分からないから」

貴様! 今、やよいの笑顔を曇らせたな!
また別の現場。竜宮小町のレコーディングだろうか?

音響監督「でも、大丈夫じゃない? 個人でちゃんと活動できてるんだし、765プロって事にこだわらなくても」
伊織「そっ、そんな事…」
あずさ「…そんな事は…でも…」

そしてまた別の現場、お台場で寒そうにしている亜美と真美。
動物番組のロケの合間に寂しそうに俯く姿を、心配そうに見守るオカマのディレクターさん(再登場!)。
貴音もまた別の音楽番組らしき現場で愁いの表情、美希も、そして、千早も。

律子「みんな、自分達の仕事を、一生懸命やっていますから、仕方、ないです…」

千早は携帯電話の電話帳で春香の項を開くが、そのまま電話はかけず、液晶の明かりが落ちる。

Bパート

かくして、休業となった春香さん。
自室にて、部屋着でベッドの上に転がって、気力無くぼんやりとしている。
部屋のカーテンは閉めたまま。机の上には舞台の台本が、

と、部屋の外で誰かが階段を上がる音が、

春香の母親「春香? 今日も出かけないの?」
春香「……。」
母親「家に居るんだったら、お使いに行って来てくれない?」
春香「……。」
母親「少し、外の空気でも吸って来たら?」
母親「…うん」

いつも通勤時に顔を隠すのに使っている大きめのキャスケットを被って外に出た春香。
「お使い」とは郵便を出してくる事だったのか、郵便ポストに何やら投函。

春香「私は、どうしたかったんだろう? どうして、アイドルになりたかったんだろう?」

地元の街を歩く春香、コンビニで雑誌を立ち読みしながら談笑する女子高生達、その手に開いたページには春香の写真入りインタヴューが掲載されている。
吐く息の白い季節、俯きがちに歩いていると、トラックが荷降ろしをしているところに通り掛かる。

運送スタッフ?「荷台、そっちにありますんで」
冬馬「おう」

よそ見をしながら歩道に出てきた男性、と言うか、天ヶ瀬冬馬とぶつかる春香。

冬馬「あっ、悪い!」
春香「こちらこそ」
冬馬「お前…」
春香「あっ」
冬馬「765プロが、こんなところ何やってるんだ?」
春香「あっ、あの…私の家、この近くで、えっと、今日は、仕事、お休みで…」
冬馬「休み? 売り出してる時に優雅に休みを取るなんて、余裕じゃねぇか」
春香「……。」

うっかりいつものように《負けん気》を発動させてしまったものの、肩透かし。

冬馬「なっ…ふ~ん、まぁ、いいや。休みってんなら、暇って事だよな? だったら、俺らのライブに来てみろよ」
春香「ライブ? ここで?」

冬馬からチラシを受け取る春香。

冬馬「こんなところで悪かったな。事務所を移ったのはいいが、今の事務所じゃ、デカい箱は押さえられねぇんだ。」

冬馬はトラックの方を振り返る。

冬馬「でも、悪くは無いぜ。961プロに居た時は、一緒にステージを作ってる仲間の顔もよく知らなかったが…」

その視線の先には荷降ろしを進めるスタッフ達。
北斗もそこでスタッフと打ち合わせている。

冬馬「…でも、そんなんじゃ信頼も何もねぇって話だよな。…まぁ、だから、お前らを、ちょっとは見習ってみたってところだな」
春香「え?」
冬馬「なんて言うか、団結力って言うか、仲間の絆ってのが、お前らのパワーの源、だろ? まぁ、だから…」

臭い台詞が好きだけど、言ってから照れる冬馬くんである。

北斗「おーい、冬馬」
冬馬「おう! …じゃあな。すぐ追い付いてやるからな!」
春香「……絆」

Jupiterの面々も元気そうで良かった。
このシーン中で流れていた「i」ピアノインストロメンタルも味わい深い。
Jupiterにも「i」に相当する楽曲ができるといいのになぁ。

場面は変わって、赤羽根Pの病室。
面会謝絶は解けたのか、病室には小鳥さんと、ベッドのそばの椅子に千早が。
赤羽根Pは右足やら首やら固定されていて、なかなか痛々しい。
そして、長い沈黙。

P「…どうした?」
千早「えっ、あっ、その…すみません、急に来てしまって」
P「…ゴメン」
千早「え?」
P「みんなに迷惑かけて。早く退院して、取り戻すから」

身体を動かそうとして痛みに悶える赤羽根Pは、小鳥さんにたしなめられる。

P「それで? 話くらいなら、聴けるぞ」
千早「…どうしたらいいか、分からなくて。…ある、家族の話です。いつも一緒で、仲が良くて、誰かが転ぶと、すぐ手を伸ばして助け合う。そんな家族が、いつの間にか、離れ離れになっていて…、転んだ時、いつも真っ先に手を伸ばしてくれた人が、一人で、悩んでしまっているのに…それを助けられないほど、みんなが、遠く、離れ離れに…」

黙って聞いている赤羽根P、訥々と語る千早。

千早「今なら、取り戻せるかもしれない。でも、それが正しい事なのか、自分にできる事なのか、分からなくて…」

病室の窓の近くには水仙が花瓶で飾られている。
結露して曇ったガラスに、水滴が流れる。

千早「私は、これまで家族と、いい関係が築けませんでした。だから、自信が無くて…」
P「…千早は、その家族の事が、大好きなんだな」
千早「はいっ、大切に思っています。とても!」
P「なら、大丈夫だよ。きっと、みんな千早と同じ様に、感じてると思う。家族って、そう言うもんだよ。大丈夫、みんなの事、信じてるんだろ?」
千早「はい…」
P「家族なら、大切な事は、ちゃんと伝えなくちゃな」
千早「はい!」

律子がノートPCでスケジュール確認をしていた部屋に、息せき切って駆け込んで来る千早。

律子「千早?」
千早「あの、お願いが!」

あぁ、20話の春香さんの構図の再現だ。

そして、数日後、だろうか? 冬の青空には、消えかけた飛行機雲と、そこに交差するように雲を引いて飛ぶ飛行機。
千早が「社長にまで掛け合って」レッスンスタジオへ召集したと言う春香と美希以外のメンバー一同。
美希は遅れて来るようだ。

真「僕、ここにはずっと来たかったんだ。でも、誰かに相談するとか、考えもつかなくて…」
響「自分も、周りの事が、よく見えて無かったかも」
やよい「でも、こうしてみんなで集まれて、良かったですね」
雪歩「春香ちゃんが居たら、喜ぶだろうなぁ」
千早「そうね。もっと早くに相談すべきだったわ。そうすれば、春香も…」
雪歩「…え?」
伊織「ねぇ、今日、千早が私達を集めた理由って…」
千早「話したい事があったの。…春香の事、それから、私達の事」
亜美「はるるんと…」
やよい「私達の事?」

住宅地らしきところを歩く春香さん。今日は帽子は被っていない。
公園で揃いの制服でたむろしている幼稚園児ぐらいの子供の集団を見つける。

「えー?そんなぁ、私、歌えないよぉ」
「大丈夫、歌えるよ」
「ま、下手でも聞いててあげるわよ」
「こーら、また意地悪ばっかり言うんだから」
「ふーんだ」

それを見て「真と伊織みたい」と笑う春香さん。
と、逆にその子達からも見つけられてしまう。

「あれ? あの人って…」
「あっ、だって似てるよ」

そして、子供達が駆け寄ってくる。

「ねえねえ、お姉ちゃんは、天海春香ちゃん?」
「本物なの?」
「本物だよ。テレビと同じだもん」
「ねぇ、歌って!」
「歌って歌って!」

一人に手を引っ張られ、

春香「じゃあ、ちょっとだけ」

子供達と「自分REST@RT」を歌う春香。
ふと、楽しんで歌う子供達に765プロの仲間達の姿を重ね、言葉を失い立ち尽くす。

子供「お姉ちゃん、どうかしたの?」
春香「ううん、みんな上手だね。お歌うたうの、好きなんだ?」
子供「うん!」

そこには、幼少期の春香の姿が。

小さい頃の春香「春香ね。おっきくなったら、アイドルになりたい! アイドルになって、それで、みーんなで楽しく、お歌うたうの!」
春香「…みんなで、楽しく?」
小さい頃の春香「うん!」
春香「でも…」

もう一人の自分に手を引かれるままその場を離れた春香は、夕焼けに照らされる電車に乗る。
車内には、真の起用された某スポーツドリンクの広告。ファッション誌の吊り広告には春を思わせる白いドレスの竜宮小町…

千早「みんなと同じ時間を過す事、みんなで一緒に前へ進んで行く事、少し前まで当たり前だった事が、私達それぞれの仕事が多くなって行った事で、難しくなってしまった。でも、一人一人のステップアップは、アイドルとして大切な事だし、活動の場が広がって行けば、すれ違いが多くなるのだって、仕方が無い。だから、春香は、何も言えなかったんだと思う。」
真「春香、いつも僕達に、声掛けてたよね。ライブの練習しよう、って」
響「それって…」
貴音「単に、練習のためのみでなく、共に過したいと言う心の現われだと…」
千早「変わらなきゃと言う思いと、変わってほしくないと言う思いを、春香はずっと、抱え込んでるみたいだった」
あずさ「春香ちゃんが休んでるのは、そのせいだったの?」
伊織「なんで言わなかったのよ! 話してくれたって…話してくれたって、いいじゃない」
真「いや、僕達が気付くべきだったんだ。なのに…」
雪歩「千早ちゃんが言ってくれなかったら、私…」
千早「いいえ。…春香のためだけじゃなく、これは、私の願いなの。私が歌を失いかけた時、手を差し伸べてくれたのは春香と、みんなだった。今の私にとって、765プロは、新しい家族なの。仕事を第一に考えるのは、私達の使命なのかもしれない。だけど…諦めたくない。お願い、力を貸してほしい」

と、そこに外階段を上がる足音が、

美希「遅れてゴメンナサイなの!」

「打ち合わせが長引いちゃって」と律子Pと美希が合流する。
美希に「生すか」の後番組の単独MCの打診があったと言う。

美希「でも、断っちゃった。」
一同「えぇっ?」
伊織「どうして?」
美希「迷子になっちゃいそうだったから。美希ね、アイドルのお仕事、楽しいの。キラキラで、ワクワクできるから。だから、前ばっかり見て、どんどん走ってって…」

皆に背を向けて鏡に向かい、自分に問うように語る美希。
そして、春香さんの歌う新曲「さよならをありがとう」が…

美希「…でも、気付いたの。このまま進んじゃったら、迷子になっちゃうかもって。何処へでも行けるのは、ただいまって帰れる場所があって、そこで笑ってくれる人がいるからかなって…」

一方の春香さん、小さい頃の自分自身のイメージに導かれるままに降り立ったのは、13話で最初のライブをした(東京ドームシティホールにそっくりな)「TOKYO EXCITE CITY HALL」。
日は沈みかけ、街灯が灯り始めている。

美希「そこに居る人が、笑ってくれるからかなって…」

急な突風に煽られて目を閉じた瞬間、あのライブが脳裏に巡る。

春香「…そうだね。みんなで、楽しく、歌って、踊って…子供の頃から、そうだったね」

小さい頃の春香は、握っていた春香の手を離し、ホールの入り口を背にして立つ。

春香「でも、みんな、嫌じゃないかなって思ったの。私の『みんなで楽しく』が、みんなの負担になっちゃわないかなって思ったら…怖くて」

小さい頃の春香「大丈夫だよ! きっと大丈夫」

そこに立っていたのはもう幼少期の姿ではなく、揃いのステージ衣装で立つみんなと自分自身の姿。
あぁ、ホールの入り口からの光が、ステージの上の光をダブらせてるんだ。

もう一人の春香「だって、私は、みんなを信じてるもん」

もう一人の自分から差し出された拳に手を重ね、受け取ったのは一粒のキャラメル。

もう一人の春香「大丈夫」
春香「…うん」

夕暮れの中の光の描写が見事で、思わず息を呑みます。
迷いを乗り越えた春香は、事務所への道を走る。その様子はまさに2期オープニングの再現だ。
と、そこで、ビル壁面の大型ディスプレイにみんなの姿が、

伊織「と言う訳で」
一同「「765プロ・ニューイヤーライブ、宜しくお願いしまーす!」」

画面の隅には「生中継」の文字が。
ライブ告知の時間を作ってもらったと言う事の様だが…

あずさ「みなさーん、見に来て下さいねー」
貴音「最高のパフォーマンスをお届け出来るよう…」
やよい「みんなで力いっぱい、頑張ります~!」
真美「って、あれあれ? 誰か一人、足りませんぞ」

そして流れ始めるイントロ。そう、これは伝家の宝刀「まっすぐ」。
インストロメンタルアレンジではなく、正真正銘元祖「まっすぐ」さんのイントロだ。
20話で使われたのはインストロメンタル)

一同「「春香ー!」」

いきなり画面から呼び掛けられて驚く春香、

真「春香、今まで待たせてゴメンね」
雪歩「私達、いつもの場所に居るよ」
やよい「みんなで待ってますー」
響「会って、いっぱい話そう!」
美希「待ってるよ!」
千早「…私達の、場所で」

春香はまさかのサプライズ・メッセージに涙を浮かべる。

春香「…うん! 待ってて」

再び、駆け出す。
そして、エンディングへ。

Ending

正真正銘エンディングであるところの「まっすぐ」さんなのです。
文字通りの、あるべき姿の「まっすぐ」さんと言っていい。

そして映像は、13話エンディングの様にこれまでのシーンを纏めたもの…
かと思いきや、時折、事務所へと走る春香さんの姿が挿入されます。
その横顔に、またしても涙腺決壊。

そして、事務所の前には皆が、あぁ、これはもしかしてもしかするのか。
もうすっかり夜だけど、赤羽根Pは居ないけど、2期オープニングのラストカットなのか。

春香「ただいま!」
一同「「お帰り!」」

そして最後に、第24話エピソードタイトル「夢」が。

次回予告

ちゃんと赤羽根Pも居て良かったです。

総括

ええ、何も結論なんか出しちゃいません。

春香の思いは、気持ちが環境の変化について行けない事への焦りから来た暴走したもので、美希の言う通り我侭だった。
ならば、その「わがままな」「勝手な」想いは、春香ひとりの胸の中に伏せられるべきだったのか。
それは違う。
話をして、その様な想いをぶつけ合う事で、お互いの認識の違いを、皆が望む有り様を、絆を確認しなければならない。
それで彼女達がどんな答えに至るかは、今回のラストカットの先、アニメに描かれるフレームの外の物語。

アニメ「THE IDOLM@STER」 第23話

残すところ後3話となりました。
そして、満を持しての春香さん回。一応、前半(第1クール)にも春香さん回的なものはあったわけですが、21話から22話にかけて張られた伏線が立ち上がり、いよいよアニマスと言うひとつの物語のクライマックスへ…

うぅっ、春香さんがどんな苦難に追い込まれるかと想像しただけで胃が痛い。
(全話放送終了に伴い「Read more」記述を解除しています。)

二十三話「

春香「お疲れ様でしたー!」

面妖な着ぐるみ等、衣装や小物の箱が雑多に並ぶ廊下を踊るようにご機嫌な足取りで抜けてテレビ局から出てきた春香さん。
局の前でタクシーに乗り、「新宿まで」と行き先を告げる。
タクシーの中ではラジオで「七彩ボタン」が掛かり、春香さんも口ずさむ。
ポッキーを咥えながらバッグから音楽誌を取り出す。その表紙を飾っているのは千早。
タクシーが途中で追い抜いたアドトラックは貴音さんがカップ麺を宣伝するもので、街の壁面大型モニターでは真が出演するCM、電気屋の店頭のテレビ画面には春香さんの姿も。
春香さんが読み進む音楽誌には、やよい、雪歩、響が一緒に写るページも。
もう新宿辺りだなぁと思ってたら、もろ新宿駅東口の光景。そこには美希の「relations」の看板も。

タクシーがレッスンスタジオに到着し、降りて駆け出した春香さんは転びかけるが…

春香「あっ……はぁ…ぎりぎりセーフ!」

お前ら「春香さんが転ばないなんて不吉」とか言うなぁ! ああ見えても成長してるんだよ!

春香「おはよー」

室内では千早と雪歩が柔軟運動をしていて、やよいの柔軟を響が補助している。

春香「伊織たちは、まだなんだ? ちょっと渋滞気味だったから、あたし最後かと思っちゃった」
雪歩「あのぉ、伊織ちゃんたち、仕事が押してるから来られないって、連絡が…」
春香「えー?」
千早「全員集まるのは、難しそうね」
春香「そんなぁ、ニューイヤーライブの合同練習初日なのに」
千早「仕方ないわ。ここに居るメンバーだけでも、合わせましょう」
春香「うん、だよね。ライブまで時間も無いし、みっちりやろう!」
やよい「あのぉ、それが…」
響「ゴメン!」
やよい「ごめんなさい」
響「自分達も、途中で抜けちゃうんだ」
春香「えー?」

前回(第22話)で分かっていた事ではありますが、みんなそれぞれに忙しいんだなぁ。
「みんな」にこだわる春香さんとのギャップが出て来そうで怖いんですが…

Aパート

事務所前には門松が飾られており、中では小鳥さんが電話の対応に追われている。
基本的には「スケジュールが埋まっていてお仕事が受けられない」と言う状況みたいだ。
と、そこに春香さんが、

春香「ただいまー」

ホワイトボードは12月と同様に真っ黒。
部屋のそこかしこに段ボール箱が詰まれており、中にはファンからのプレゼントが。
「春香」の札の貼られた箱から頭を出した熊のぬいぐるみを撫でる春香さん。

小鳥「ふぅ~……あらっ、お帰りなさい」
春香「ただいま、小鳥さん」

給湯スペースで二人分のココアを用意する小鳥さん。

小鳥「春香ちゃん、この後、何か予定あったかしら?」
春香「いいえ。ただ、事務所に戻ってこないと、一日が終った気がしなくて」
小鳥「うふふ……戻って来てくれるのは嬉しいけど、明日も午前中は雑誌の取材でしょ? 午後もテレビの収録だし、身体を休めるためにも、無理せず、真っ直ぐ帰っていいんだからね」
春香「はい、ありがとうございます」

小鳥さんから出されたココアを手にする春香さん。
小鳥さんは自分のデスクに戻り、ココアを飲みながらPCを操作している。

春香「小鳥さん」
小鳥「うん? なあに?」
春香「今日、あたし以外に、誰か事務所に来ました?」
小鳥「春香ちゃんだけよ。まぁ、これだけスケジュールが詰まってると、なかなか、ね」
春香「…ですよね」

春香がココアを飲む音が響く静かな事務所に、外の廊下から足音が。

P「ただいま戻りました」
小鳥「お帰りなさい。プロデューサーさん」
P「うわー、寒かったぁ~。あ、春香、来てたのか」
春香「はい、おかえりなさい」
P「うん、ただいま。…調子はどうだ? 何か変わった事は無いか?」
春香「うーん、あっ、今日は、一回も転ばなかったんですよ。すごいと思いません?」
P「へぇ、すごいじゃないか」
小鳥「奇跡だわ」
春香「えへへへへ」

…突っ込んじゃダメだ。突っ込んじゃダメだ。

P「じゃあ、ご褒美にいいものを見せてやろう」

赤羽根Pが出して来たのは、「刷り上ったばっかり」と言うニューイヤーライブのパンフレット。
ニューイヤーライブ…ニューイヤーライブ…新春イベント…ギギギギギ…

小鳥「うわー、みんなかわいいですねぇ」
P「自信作です。今年最初のライブだから、絶対成功させないと。今はみんな本当に忙しくて、スケジュールも合わなくて大変だけど、全員で力を合わせれば、きっと素晴らしいライブになるはずだ。頑張ろうな、春香」
春香「はい! みんなで、成功させましょう。プロデューサーさん!」

ここで「まっすぐ」さん(インスト)再登板である。
なるほど、つまり、最終回はニューイヤーライブと言う事だな!
そして、みんなにメールをする春香さん。

春香「よーし、みんな、団結だよ、団結! みんなの力を合わせて、ライブを成功させようね。そのためには、みんなの時間を合わせて、合同練習だよ。本番まであと少ししか無いけど、みんなで頑張ろうね」

春香さんの意気込みはよく分かるんですが、胃が、胃がキリキリ痛むよう!
たぶん、「みんなで」の意味合いに食い違いが生まれていると思うんだ。

それはそれとして、この春香さんモノローグの間の映像も大変興味深い。
最初に、春香が亜美真美とお揃いの制服姿で話している教室は、どう考えても「G4U! Vol.2」の撮影現場と言う体裁ですし、その次の伊織と話している局の廊下らしき場所、後ろのポスターは左から「高槻やよいのお料理さしすせそ」「あず散歩」「生っすか?!サンデー」「新幹少女TV」…

そしてある日の撮影後、スタッフに呼び止められる春香。

スタッフ「あ、天海さん」
春香「はい」
スタッフ「ちょっと、お話いいかな?」
春香「あっ、えっと…」
スタッフ「そんなに時間かけないけど…」
春香「…ゴメンナサイ! 今日だけはダメなんです。ホントにすみません」

ぐぬぬ、そのレベルで「急ぐ」必要があるのだろうか?
ニューイヤーライブも大事だけど、それ以外のお仕事を疎かにしてまで、と言う事にはならないと思うんだ。

新宿駅中央線のホームから階段を駆け足で上がる春香。
その階段のところの看板に「会場72」とか見えた気がするが、…うん、気のせいだな。
レッスンスタジオに着くが、そこで待っていたのは真、あずささん、千早、雪歩の四人。

春香「みんなは、まだ来てないの?」
千早「水瀬さんと我那覇さん、前の仕事が押して、どうしても無理らしいの」
春香「えっ、そうなの?」
あずさ「亜美ちゃん達も、収録が終らないみたいなの。春香ちゃんに、謝っておいてって、」
春香「そうですか」

更に、美希からは「ひこーきが遅れて、いま羽田なの(T△T)」と言うメールが。

春香「美希も、無理みたい…」
真「…やっぱり、全員で練習するのは難しそうだね」
雪歩「去年は全員でいっぱい練習できてたのに…」

やはり5話を思い起こさせる「Night」アレンジのピアノインスト。あの時はまだ見ぬ未来を夢想するシーンの劇伴だったものが、前回22話から優しい過去を振り返るものとなっている。
春香さん、自分の頭をコツンとして、

春香「しょうがないよ。今日は、ここに居るメンバーだけでも、練習しよう」

あずささんが集まれなかったメンバーにビデオを渡す事を提案し、ビデオカメラを借りに行く真。
雪歩はあずささんに柔軟の補助を頼む。
着替えようとして溜息を漏らしてしまう春香さんと、それを横目で見ている千早…

そして、日も暮れた帰り道。

千早「今朝、早かったんでしょう?」
春香「うん。…あれ? どうして知ってるの?」
千早「音無さんに聞いたわ。レギュラーのラジオ収録、朝からに変更してもらった、って」
春香「うん。そうしないと、今日の練習、来られなかったから。スタッフさんが『そーゆー事情なら』って言ってくれて」
千早「……。」

足を止める千早。

春香「うん? 千早ちゃん?」
千早「…春香、私、明日からの海外レコーディングをずらして貰うよう、プロデューサーにお願いしてみる」
春香「えっ!?」
千早「この状態でライブをするのは、私自身が納得できない」
春香「ダメだよ千早ちゃん、行かなきゃ」
千早「…春香?」
春香「プロデューサーさん、言ってたよ。今度の海外レコーディングは、千早ちゃんの今後を左右するものだって、だから、色々準備もして来たんでしょ?」

千早に歩み寄り、その手を握る春香さん。

春香「大丈夫、みんな練習したい気持ちはあるんだし…。あ、でも、ニューイヤーライブの日には、帰ってきてね」
千早「それは、もちろん」
春香「だったら、行って来て」
千早「うん」
春香「ちょっぴり、寂しいけどね~」

春香さんが不安そうな顔の千早を笑顔に変えた瞬間に、ぶわーっと昂ぶってしまった。
「明日からしばらく海外」の千早と、寂しく感じながらも笑顔で送り出す春香、あぁ、もう、何と言うハルチハなシチュエーション!(←黙れ)
それはともかく、しばらく千早の登場は無いと言う事ですね。

帰宅して、自室にて愁いの表情で今日撮ったビデオを見ている春香。
翌朝、夜明け前に家を出た春香は、あの長い電車通勤の間に、再び皆にメールを送る。

春香「提案です。次の全体練習までの間、現場が一緒の人が、何人かずつでも集まって練習しませんか? そうした方が、絶対絶対いいと思うんだ。みんなで、一緒に頑張ろうね」

そして、今日の現場は吉本新喜劇のようなセットで響と貴音が…

響「なんでやねん!」
貴音「そっちこそなんでやねん!」

セットの外では春香と亜美が待っているが…

真美「なかなか終わんないね」
春香「うん」

セットの上から手を合わせて遅れている事の謝意を伝える響に、春香は手を振り、真美は頭の上で大きく丸を返す。

春香「二人で始めちゃおっか」
真美「ゴメンね、はるるん。もう時間切れなんだよ」
春香「え? そうなの?」
真美「うん…」
春香「そっかぁ…じゃあ、明日の全体練習で、頑張ろっか」

やべっ、春香にハグする真美が超かわいい…

が、それはそれとして、翌日の全体練習。
雨の降り頻る新宿、誰もおらず真っ暗のスタジオ。
携帯電話の呼び出し音…

春香「はいっ、天海です」
律子「あっ、春香。今日の全体練習ね。中止になったのよ。どうしてもみんなのスケジュールが取れなくて…」

あぁ、やっぱり。
そして、ひとり事務所に戻る春香さん。
雪ではない「1月の雨」の描写がとても寒々しい。

小鳥「あら、お帰りなさい。春香ちゃん」
春香「ただいま。…あの、プロデューサーさんは…」
小鳥「居るわよ。電話で打ち合わせしてるけど」

ニューイヤーライブの打ち合わせをしている赤羽根P…

P「そこはあくまでも、お客さんとアイドルの盛り上がりを最優先にしないと…ええそうです。それがみんなで作る765プロのライブなんですよ…」

その様子を聴いていて、そのまま事務所を出た春香さん。
ドアの前でまた自分の頭をコツンとして…今、ギュッてした!!(ああ、ギュッてしたな)

挫けない事は褒めてあげたいのだが、押してダメなら引いて見ろと言うか、少し考え方を帰るべきではないか。
春香をちゃんと見ている千早でも、若干「非コミュ」なところがあって周囲とのベクトルの違いに気付けていないし、赤羽根Pは忙しさのあまりここ最近は春香を十分に見てあげられてないようだし、これまで一番安定していた、問題の無かった子だけに、春香の行き詰まりに誰も気付けていない…

CM

「化物語 音楽全集」のCMが、「アイドルマスターブレイク!」3巻の限定版特典CDを思い起こさせるのは仕様です。
あれは本当にいいCDだった。掛値無しに!

Bパート

真「昨日はホント、ゴメン! スタジオに向かってる途中で呼び戻されちゃって、それで…」
春香「大丈夫だってば。その話、昨日もずっと電話で聞いたし。それより、本番までまだ時間あるから、雪歩と三人でライブの練習をしようよ」

控え室でのやり取り。
真の後ろのハンガーに掛かってるのは、もしやDLC衣装「スノーフレークリリパット」?

真「…春香、まずは今日の生放送を重点的にやろうよ」

真が視線で示した先では、雪歩が目を閉じてヘッドフォンで曲を聴いている。
漏れている音は「Little Match Girl」。

真「『Little Match Girl』は初披露の新曲だし、それに生放送なんだ。失敗は出来ない。雪歩もセンターの重圧に負けないように頑張ってる。僕達も、今のこの瞬間を頑張ろうよ」

全くである。
目の前の仕事を疎かにしていいわけが無い。
そして、雪歩、春香、真の三人ユニットで披露される「Little Match Girl」。
「スノーフレークリリパット」風の衣装で、ゲームでも6thライブのステージでも見たあのダンスが再現される。
が、曲のアレンジは結構違うかも。これはCDが楽しみ!
ってか、LMGはすっかり雪歩曲・あずみん曲扱いになったなぁ。

曲を終え、舞台袖で春香に抱きつく雪歩。

雪歩「春香ちゃん、私、今日は失敗しなかったよ」
春香「うん、すごかったよ、雪歩」
真「雪歩、メチャクチャかっこ良かったよ!」
雪歩「ありがとう、真ちゃん」

雪歩、本当に立派になったね。なんか胸が熱くなるね。
だがその一方で、一人一人がこれまでよりも更に一歩進んだプロ意識で取り組む中、春香さんとの意識のすれ違いがハッキリし始めている。このギャップは埋められるのか?

シーンは変わって、「生っすか!?サンデー」生放送のスタジオへ。
御存知の通り、海外レコーディング中の千早はお休みなわけですが…。をい、扱いに悪意を感じるぞ!w

美希「さぁ、今週もお別れの時間だよ。また来週、会いましょうなの」
春香「それでは、せーの!」
春香・美希「「生っすか~!」」
スタジオ観覧者「サンデー!!」

真美と雪歩・真はスタジオ中央のモニターから手を振っている事から、中継先に居るものと思われる。
で、それ以外は全員スタジオに居るのかな?
ディレクターから「はーい、OK」の声が飛んだ途端に崩れ落ちる一同。

あずさ「今日は過激でしたね~」
亜美「うぇ~」
やよい「身体が痛いです~」
響「大丈夫か?」
律子「美希、早くしないと、間に合わないわよ」
美希「ゴメンね、春香。今日も練習、行けそうにないの」
春香「う、うん…」
律子「ちゃんと台本を読んでおくのよ」
美希「はいなの」
律子「みんなは少し残ってて頂戴。報告があるの…」

美希はすぐ別のお仕事か。
あずささん・亜美・貴音がスタジオ上手雛壇、やよい・伊織・響が下手雛壇で、色違いのTシャツを着ている事から、2チームに分かれて身体を動かす対戦的な事をしていたものと想像できる。

春香「…打ち切り?」
律子「ええ」
伊織「どうして?!」
亜美「視聴率ってやつ?」
ディレクター「いやぁ、視聴率はいいよ、ホント。ウチとしても続けたいんだよ…」
番組プロデューサー「実は、他の番組から『日曜日を丸ごと押さえるのはやめてくれ』って言われちゃって」
一同「そんなぁ…」
律子「すみません。お世話になった番組ですから、何とかやりくりしたかったんですが…」

いや、まぁ、最初から無茶な番組だなぁとは思ってたんですよ。
全員売れっ子になってる状況で、その全員を同時に生放送で押さえるとかって、他の仕事に差し障りますよね。

亜美「そっかぁ」
あずさ「残念ですねぇ」
響「楽しい番組だったけどなぁ」
ハム蔵「ぎゅ!」
貴音「始まりがあれば、終わりもあるもの」
伊織「まぁ、とにかく、最後まで頑張りましょう」
やよい「うっう~! 頑張ります~」
律子「そうよ。最終回まで楽しく面白く、ね?」
一同「はい!」
春香「…はい↓」

そう、「みんな」に拘り過ぎる春香さんにとって、一週間で唯一「みんな」が揃うこの番組の意味は、他の子とは異なってしまっている。
かなりショックだったようで、最後まで控え室で項垂れている春香さん。

律子「大丈夫? 春香」
春香「は、はいっ」
律子「…はい、ミュージカルのスケジュール。立ち稽古は明日の20時からね」
春香「えっ? でも、その時間は、練習をみんなでって…」
律子「分かってる。でも、この仕事は春香と美希にとって、とても大切な経験になるわ。ライブとどっちが重要、とかじゃないのよ」

春香さんはこの時点で納得していないのだろう。
そして、遂にミュージカル「春の嵐」の立ち稽古が始まる。

美希「どんなに覚めようとも、私はまた夢を見るだろう。星の数ほど夢はあれど、私の見るのは、あの太陽のように輝き、熱く燃える…」
演出家「ストップストップ! 天海、交代しろ」
春香「は、はいっ!」
演出家「いいか? 俺はお前達のどちらかに、この作品の主役をやらせるつもりだ。とにかく、全てを出し切れ。全てを見せろ。この役に自分を、ぶつけるんだ!」

おぉぅ、アニマス中でもっとも強面な感じの人が現れたぞ。なんかカッコイイぞ。
休憩時間、疲れた表情でタオルに顔を埋める春香さん。
近くに美希が座って水を飲み始めたのを見て、近付いて隣に座り直す。

春香「噂通り、厳しい演出家さんだね」
美希「うん、でも美希、これくらいへっちゃらなの!」
春香「美希が一緒で良かったぁ。あたし一人じゃ、もう挫けちゃってたかも。どっちが主役になるか分からないけど、一緒に頑張ろうね」
美希「……それはイヤなの」
春香「えっ?」

ここでピアノインストの「relations」とか嵌り過ぎだろ。
ヤバイ、これは色々と胸に込み上げて来る。

美希「美希、絶対主役をやりたいんだ。これは、ハニーが美希にくれたチャンスだって思うし、主役の美希をハニーに見てもらいたいの。だから、一緒に頑張るって言うのは、ちょっと違うって思うな」

この作品の演出家が求めている役に対する向き合い方を考えれば、明らかに美希が正しい。
その覚悟の無い春香は、この先の評価が厳しい事になるだろう。
春香は、そこまでしてこの仕事を続けたいと思うだろうか。

一人夜道を帰る春香。
頭を過ぎるのは、真っ暗なスタジオ、出発前日の夜に話した千早、ニューイヤーライブの打ち合わせ中の赤羽根P、LMG初披露の生放送前の真、LMGを披露する雪歩、「生すか」打ち切りを告げられた時の皆の様子、そして、ついさっきの真剣な表情の美希。足を止める春香…
春香さんの足はいつものように事務所へ。
しかし、もう夜も遅く、事務所には掃除をしていた社長ひとりだけ…

社長「プロデューサー? いや、今日は見て無いねぇ。たぶん、誰かの現場に付き添いで出掛けているんじゃないのかね」
春香「そう、ですよね…」
社長「何か、急用かね? 私の居る間に戻ってきたら、電話をさせるが」
春香「いえ、大した事じゃなんです。お疲れ様でした。失礼します」
社長「あっ、あぁ…」

あぁ、やっぱあの規模の会社なら社長は自分で事務所の掃除するよな。
それはそれとして、翌日もミュージカルの稽古が続きます。

春香「私は歌う! 誇り高き、夢のため!」
演出家「(手を二回打って)交代しろ!」

やっぱりと言うか何と言うか、明らかに演出家からの評価は宜しくない。
演出家の手元の「東京文化劇場・新装記念公演 春の嵐」と題したキャスト候補の表には、「主役 アンナ / 準主役 レイラ」として春香と美希の名前が並んでいるが、春香の横には「うーん…?」、美希の横には「元気…!!」と赤字で書かれている。既に印象面でハッキリ差が付いてしまっている模様。

休憩時間にも、美希だけが演出家から指導を受けている。
それを横目に見ている春香に…

P「なんだ? 元気無いな。陣中見舞いに来たぞ」

どら焼きを差し入れに持って来た赤羽根P、

P「舞台、どうだ? 楽しいか?」
春香「…はい、楽しいです。勉強になること、いっぱい、あるし」
P「そうか」
春香「……。」

どう見ても楽しそうではない語気と暗い横顔に、赤羽根Pから切り出す。

P「昨日、事務所に来てくれたんだって?」
春香「……。」
P「俺に、何か話しでもあったのか?」
春香「………あの…」
P「うん?」
春香「私…」
美希「ハニー! 来てくれたの?」
P「あっ、…美希」
美希「あのね、美希、頑張ってるよ。ね? 春香」
春香「う、うん」
P「そうか…、先生のお説教は済んだのか?」
美希「ぶー! お説教じゃないの。演技指導なの」
P「あぁ、ゴメンゴメン。あぁ、美希、どら焼き貰ったか?」

またしてもタイミングを逸してしまった春香さん。
Pはそのタイミングだと思ったからこそ時間を作っただけに、これではなんとも…
美希と赤羽根Pの様子に、春香は再びその気持ちを胸の中へ仕舞い込んでしまう。

P「ごめんな、春香。さっきの続きを…」
春香「いいえ、いいんです」

春香は赤羽根Pの隣から立ち上がり、ステージ中央側へ歩き出す。
また、自分の頭をコツンと叩いてから振り返る。

P「春香?」
春香「……何でもありません。いいんです」

そのまま、後ずさる様に赤羽根Pから距離を取ってしまう春香…

P「いいって、お前…」
春香「…いいんです。ホントに…」

その後ろには、さっきまで稽古で上げ下げしていた迫(セリ)が降りたままになっており、奈落(舞台下)が真っ暗な口を空けていた。
右足を踏み外す春香。その春香の腕を掴み、引っ張り上げて反対側へ突き飛ばした反動で、その身を奈落へと投じる赤羽根P…

Ending

暫く黒地のままスタッフロールが続き、最後に止め絵が5枚。
病院の廊下に立ち尽くす社長と美希、小鳥さんとりっちゃん、そして、涙を流し続ける春香さん…
曲は新曲「見つめて(Instrumental)」だが…、これは次回歌詞付きで聞けるのだろうか。

総括

と言う訳で、我等が赤羽根Pが一時退場となってしまいました。
うん、予想の範疇と言えば範疇ではあるのだが…ホント、すまんかった。

ADVならば結末をハッキリと分かつ状況です。
春香は何のためにアイドルをするのか。こんな状況でそれに向き合えと言うのも可哀想な話なんですが…

ちなみに、我がTLにはアニマスからアイマスに入った人が全く居ない、ほぼ全員がPと言う状態ですので、23話後の一般的な反応は「なんか頭を打ったみたいで記憶がハッキリしない」でしたw
流石に「俺死にました」等と自己申告する人はおらず、そりゃそうか。

アニメ「THE IDOLM@STER」 第22話

期待通り、楽曲もたっぷりのクリスマス回でした。
そして、春香さん回の導入?

ひとつだけ欲を言えば、「The world is all one !!」インストを使ってる場面は「Large Size Party」を使って欲しかったなぁ。

例によって、感想はまた後日。
(全話放送終了に伴い「Read more」記述を解除しています。)

二話「聖に」

冬の街、横断歩道を渡る春香さん。
商業ビル壁面の大型ディスプレイで「relations」のCMが始まる。

春香「あ…美希のCM、今日からなんだ」

画面の中の美希は濃いアイシャドウを入れていて、まるで…
まるでじゃねぇよ。明らかに、錦織監督がキャラクターデザインを務めた「Panty & Stocking with Garterbelt」の姉の方だよ。(^-^;

春香「うん、私も頑張らないと!」

Aパート

「UP SOUND」なる音楽番組の「出演者ミーティング」に参加している春香と千早。
その頃、赤羽根Pは廊下の自販機で二人の分のドリンクを買っている。落とした小銭を探して屈んでいたところでハルチハ登場。

千早「何をしているんですか?」
P「あははは…この財布、穴が空いてて、小銭が…」

恥ずかしいところを見られてしまいました。
で、控え室に移動して、

P「ほら、二人とも、ニューイヤーライブのポスター見本だ」
春香「わぁ~」
千早「いい出来ですね」
P「だろ? あ、それで、練習なんだが、俺はほとんど顔を出せない感じになりそうなんだ。スマン!」
千早「いえ、プロデューサーが忙しいのは、みんな分かってますから、自分達でできる事は、自分達でやります」
P「そうか、じゃあ、頼んだぞ」
春香・千早「「はい!」」
P「ただし、無理はせず、体調管理はしっかりな。年末特番の収録やクリスマスイベントなんかで忙しくなるから…」
春香「あぁ! クリスマスですよ、クリスマス! 去年、みんなでクリスマスパーティーをしたんです。今年は、プロデューサーさんも一緒にパーティーできますね!」
千早「春香、今年は…その、無理なんじゃないかしら? スケジュール的に、厳しそうだし…」
春香「あぁ…そっか、そうだよねぇ」
千早「少し、残念だけど」

春香さんのがっかりした顔を見て、デキル男、赤羽根Pは決断する。

P「よしっ、やるか!」
春香「え?」
P「仕事優先だから、来れる者だけで参加って言う事になると思うけどな」

そして、そのまま音楽番組収録へ。
千早が「Inferno」(「MASTER LIVE 04」収録)をソロで披露し、春香はPと共にそれを見ている。
うーん、やっぱり「Inferno」は雪歩とのデュオで聞きたいなぁ。

春香「千早ちゃん、すごく良かったよ!」
千早「ありがとう。プロデューサーは?」
春香「次の現場だよ。私達より、プロデューサーさんの方が忙しいよね」
千早「プロデューサー、大丈夫かしら。私達のこと心配してる場合じゃないわね」
春香「良かったぞ、千早」(赤羽根Pの真似)
千早「え?」
春香「プロデューサーさんの伝言、ホント、どんどんすごくなるよねー」
千早「そう言って貰えるのも、春香のお陰ね」
春香「え? 私は、ただ…ううん、やっぱり、これは私じゃなくて、プロデューサーさんのお陰だよ。ほら、こーんな立派なステージに立てるようになったんだし」
千早「ええ」

…まさか、赤羽根P「過労で倒れる」フラグ?
みんなの体調管理に気を配ってる人が体調を崩すのは実社会でもありがちなパターンです。

春香「千早ちゃん、さっきのクリスマスパーティーのこと、みんなに連絡して大丈夫かな?」
千早「ええ、久しぶりの息抜きなんだから、みんな喜ぶと思うわ。みんなで集まれるといいわね」
春香「うん! 楽しみが増えると、お仕事も頑張れちゃうよね。あっ、美希のCMだ!」

控え室のテレビモニターにはアバンタイトルと同じ「relations」のCMが。

春香「美希、かっこいいよね。なんか、トップアイドルって感じ…」

春香さんが美希に差を付けられてしまったと感じている事が、この先の伏線の様な気がする。
CMが終わり、ワイドショー的な番組へ。

ナレーション「さて、『ブーブーエス冬の祭典』応援団長の星井美希さん、PR会場を盛り上げた後、こんな一幕も…」
レポーター「クリスマスは誰とすごしたいですか?」
美希「うーん、やっぱ、一番好きな人とすごしたいかな?」
レポーター「ずばり!」
美希「もちろん、ハニーなの!」
レポーター「ハニーって?」「言える範囲で!」

あちゃー…

春香「…美希、すごいよね」(苦笑)
千早「そうね。どんどん前へと突き進んで行ってる」

いやいやいや、そっち方向に突き進んで行っているのは大丈夫なんでしょうか?
こっちも伏線だったりしたら胸が痛いぞ。頑張れ、春香!

夕暮れの帰り道にて、春香さんが歩道橋を上がりながら電話をしている。

春香「それで、響ちゃんはどう? クリスマス、来れそうかな?」

響はスキー場にてテレビ収録の合間のご様子。

響「そうだなー、その日は真と一緒に新春特番の収録なんだけど、何とか行ける様に頑張るさー」

雪歩はレコーディングスタジオに、

雪歩「絶対、絶対行きたいけど…私、その日はバラエティの収録があって…」

真美はバラエティー風のスタジオセットの前で、

真美「うぇー?! はるるん遅過ぎだよ。イブの日はやよいっちとイベントなんだよ」

やよいもバラエティー風のスタジオセット「年末超年忘れスペシャル」、

やよい「はうー、そうなんですー。その日はサンタの格好をして、色々なおうちにプレゼントを届けに行く予定で…」

貴音さんは屋外の撮影準備中で、ヘアメイクさんにかかりながら、

貴音「まこと、よき話ですね。しかしその日は、天に近い場所から祝福の歌を歌う仕事が入っているのです。果たして、間に合うかどうか…」

…なんだそりゃ? タワーか? 生中継で歌うん?
真は例によってえらい男前なファッションで写真撮影の合間っぽい。

真「あー、そうなんだよなぁ…。その日はもうひとつ、だいじなお祝いがあるから、なんとしてでも出たいんだけど…」

雪歩のバースデーですね。
そして、竜宮小町の面々が控え室にて、

あずさ「あ~ら~、いいわねぇ。私も参加させてもらうから…」
律子「(溜息)だから、ミニライブの状況次第ですって」
あずさ「あら、そうでした~」
律子「春香、今年は大切な年なのよ。貴方も立派なアイドルなんだから、優先順位を考えなさい」
春香「でも…」
亜美「はるるん、さっきにいちゃんも同じ電話かけて来て、りっちゃんに怒られてたよ」
律子「あっ、こら、亜美!」
春香「プロデューサーさんが?」
伊織「『どうしても集まりたい』だなんて、まったく、子供じゃないんだから」

伊織だって集まりたいくせにw

春香「あとは、美希…あっ、美希にはメールの方がいいかな? 今日は特に忙しそうだったし」

春香さんが電話している後ろに見える「七通運送」の看板はつっこんじゃダメです。
例え屋号が丸の中に「72」と書かれているように見えても、たぶん気のせいなのでスルーしましょう。

春香「私達、アイドルなんだから、クリスマスに忙しいのは当たり前だよね」

ちょっとしょんぼりしてた春香さん、ショウウィンドウに映った自分の顔を見て、

春香「そうそう、アイドルは笑顔を忘れるべからず」

うんうん、春香さんはかわいいなぁ。
夜が更けてからもダンススタジオで自主練習に励む春香さんに、Pから電話が、

春香「え? …私がミュージカルのメインに? 本当ですか?」
P「美希も出演決定だ。ただし、主役か準主役かは、これからの稽古次第ってとこだが」
春香「私と、美希が?」
P「そうだ。おめでとう、春香」
春香「あ…ありがとうございます!」

春香さん、おめでとう!
ってか、これって次週以降の導入じゃねーのか。
自分が美希に劣っていると感じている春香さんは、美希と主役の座を争えるのか?
美希が相手なら私は「準」でいいや、なんて思っちゃったりしないだろうか?

CM

6thライブBR&DVDのCM来たー!
東京公演しか行ってないんで、非常に楽しみです。
これでこの冬のイベントに参加できない憂さを晴らすのだ!

Bパート

翌日かな。春香さんが事務所に入って来ると、小鳥さんは何やら電話中。

小鳥「あ、春香ちゃん。待ってたのよ」
春香「はっ、はい」

ミュージカル「春の嵐」の台本を出してきた小鳥さん。

小鳥「ジャーン! メイン決定! おめでとう。春香ちゃん」
春香「ありがとうございます」
小鳥「プロデューサーさんが直接渡したがってたんだけど、少しでも早くって」
春香「はい」
小鳥「主役も準主役も、ほとんど出ずっぱりよ。それが春香ちゃんと美希ちゃんだなんて、ホントすごいわねぇ」
春香「いえ、オーディションを取って来てくれたのは、プロデューサーさんですから」
小鳥「最近、結構やり手だもんね。最近のプロデューサーさんは」

スケジュールの書かれたホワイトボードはぎっしりと埋まっている。

春香「美希と一緒に舞台かぁ」
小鳥「ライブも重なっちゃって、大変だとは思うけど、頑張ってね」
春香「はい!」

その夜、千早と共に夜の道を帰る春香。

千早「おめでとう、春香」
春香「ありがとう! 千早ちゃんも、海外レコーディングの話、決まったんでしょう? すごいよねぇ」
千早「本場の環境に触れる事で、少しでも自分を高められたらって…」
春香「…でも、ニューイヤーライブとスケジュールが重なっちゃってるんだよねぇ」
千早「そうね。でも、私の原点は、ここにあるから、練習には可能な限り参加するわ」
春香「うん!」

千早の言う「ここ(原点)」ってのは「春香さんの傍ら」ですよね。
と理解したのは俺だけではないはず!(少なくとも俺のTLには他にもう一人居ました。)

春香「こうやって、色々な話をすると、元気出てくるよね」
千早「春香?」
春香「少し前まで毎日顔を合わせてたのに、最近は日曜日にしか顔を合わせないから、なんか変な感じって言うか…」

ゲスト出演の歌番組はともかく、定例のお仕事で二人が揃うのは「生っすか!?サンデー」だけと言う事ですか。
それと、春香さんちょっと疲れ気味?

春香「あ、でも、一昨日、響ちゃんと事務所でお喋りしたんだ。響ちゃんも『久しぶり!』って笑ってくれて…だから、クリスマスが楽しみ! きっと、みんなそうだよね」
千早「ええ」

そして、遂にクリスマスイブ。
新曲「My Wish」に乗せて、皆のお仕事の様子が描かれます。
エンドロールによれば作詞・作曲:Asuさん / 編曲:関淳二郎さん、「チクタク」(「THE IDOLM@STER 2 SMOKY THRILL」収録)「DIAMOND」(「MASTER ARTIST 2 -SECOND SEASON- 01 水瀬伊織」収録)の作曲・編曲コンビですね。あぁ、DIAMOND聴きたくなって来た。
美希、伊織、律子、あと、やよいは辛うじて聞き取れたけど、真と雪歩は分からなかったなぁ。

イルミネーションに輝く街と、街頭大型ディスプレイからメッセージを送る美希、音楽番組に出演する千早、サンタモチーフの衣装でクリスマスミニライブの竜宮小町、恐らくはミュージカルなのであろう「Little Match Girl」をバラエティ番組内で宣伝しているらしき雪歩、白い付け髭をしてサンタクロースそのものの格好でプレゼントを届けるやよいと真美、正月特番の収録で熾烈な羽子板勝負を展開する真と響、スカイツリー展望台にて子供達の聖歌隊と共に歌う貴音…

「My Wish」が終わると、収録の休憩時間に事務所に電話を入れる春香さん。

春香「すみません、収録が押しちゃってて…」
小鳥「慌てなくても大丈夫よ。まだ誰も来てないから」
春香「え? そうなんですか?」

うん、一人でツリーを飾り付けしてる小鳥さんが寂しい想いをしているね。

春香「やっぱり、難しいのかな?」

無事に収録を終えて、事務所へ急ぐ春香さんと、「あったかな雪」(「MASTER SPECIAL WINTER」収録)。

途中でケーキを買い…

春香「へへっ、ホールにしちゃった♪」

ヤヴァイ、今の可愛過ぎて噴いた。
しかしまぁ、アレですね。流石の春香さんももうケーキ自作する時間は無いわけですよ。
去年のクリスマスパーティーでは春香さんは自作して来たはず。
更に、ショーウィンドウの男性物の財布を見て、赤羽根Pの穴の空いた財布を思い出し…

そして、事務所前にて、

千早「春香」
春香「千早ちゃん! お仕事終わったんだね」
千早「ええ、なんとか」
春香「あ、千早ちゃんもケーキ、買ったんだ」
千早「ええ」
春香「えへへ…ホワイトクリスマスだね」

これは…間違いなく竜宮小町以外の全員がひとつずつケーキ買ってくるぞw
事務所に入ると、

春香「すみません、小鳥さん、遅…わぁ!」
真「遅いよ、春香。あぁ、千早も一緒?」
真美「はるるん、千早お姉ちゃん、メリーっす!」
やよい「えへへ、メリークリスマース!」
響「遅いぞ、二人とも」
春香「みんな、間に合ったんだね」
響「ぎりぎりセーフだったけどね」
やよい「プロデューサーがスケジュールを調整してくれたから、間に合ったんです」
貴音「しかし、当のプロデューサーは、まだ到着していないようですが…」
小鳥「それなら、さっき連絡があって、美希ちゃんを連れて来るから、少し遅れるかもって」

残るは、雪歩、あずささん、亜美、伊織、りっちゃん、美希、赤羽根P、社長かな?

真「ほらほら二人とも、今日はお祝いが二つ重なってる日なんだから、準備手伝って」
真美「うんうん。それにケーキもいっぱいあるよ!」
春香「えぇっ?! 私達も買ってきたよ」

あぁ、やっぱり…

そして、雪歩が到着。

雪歩「な、なんとか…間に合いましたぁ」
響「雪歩、メリークリスマス!」
雪歩「あっ、め、メリークリスマス」
真「アンド…」
一同「ハッピーバースデー、雪歩!(ゆきぴょん)」

真の熊のぬいぐるみの前でナッツ食ってる中村先生、じゃなくて、ハム蔵。
続いて、恐らくはタクシーで竜宮小町 with りっちゃんPも到着。
それを、白く曇った窓に指で落書きしながら待っていた真美。

亜美「お待たせ、はるるん!」
あずさ「まぁ、盛り上がってるわね」
伊織「スタッフと打ち上げの途中だったけど…まぁ、こーゆー時に主役が居ないと、みんな盛り上がらないでしょ?」
亜美「あれ? いおりん、ゆきぴょんのプレゼント買うからって、打ち上げ最初から出てなかったじゃん」
真美「いおりん、聖夜ぐらい素直にしないと」
伊織「うるさいわねぇ!もう!」

亜美真美にほっぺで挟まれてるいおりんMAJIかわいい!

律子「私達が最後かしら?」
春香「いえ、それが、まだ…」
小鳥「あ、ちなみに社長は、奥で話中みたいです」
あずさ「じゃあ、後は、美希ちゃんと…」
伊織「プロデューサーだけね。にしても…なんかケーキ多くない?」
一同苦笑。

そして、雪の降り頻る中、タクシーで美希と赤羽根Pも到着。

美希「遅れてゴメンなの!」
P「あれ? ひょっとして、俺達が最後か?」
春香「美希! プロデューサーさん!」
P「なんとか、間に合ったみたいだな」
美希「うん! あっ、ねえねえ、美希、ケーキ買ってきたんだよ」
真「えぇっ、美希も?」
美希「も?」
真美「これで…」
亜美「全員集合だね!」

と、ここで「The world is all one !!」インスト。
うむ、ここは、ここでは「Large Size Party」(「MASTER SPECIAL WINTER」収録)が欲しかった!

律子「全員が集まると、華やかですね」
P「ゴメンな、言いだしっぺなのに、遅れちゃって」
律子「いえいえ」

社長も「みんな揃ったようだね」と社長室から出てくる。

響「みんな忙しかったのに、よく集まったよね」
千早「ええ、でもそれは、みんなで居る事を大切に思う人が居たからなんだと思う」
響「ん?」

そう言う千早の優しい視線の先には、

春香「プロデューサーさん! メリー…うわぁ!」

シャンパンの栓を暴発させて慌てる春香さんが、

亜美「それでは」
真美「改めまして…」
全員「メリークリスマース!」

皆で乾杯して、雪歩にはバースデープレゼント、皆でプレゼント交換、亜美真美は赤羽根Pにじゃれ付くわ、皆でたくさんのケーキを前に困惑するわ…
雪歩がバースデーケーキの蝋燭を吹き消して、いや、吹き消せなくて、あ、やっぱり吹き消して…

律子「じゃあ、ケーキ切るわよ」
亜美「あ、亜美サンタさん欲しい!」
真美「真美は板チョコ!」
貴音「私は、少し大きめに…」
律子「もう、幾らでもあるんだから心配しないの」

って言うか、あんなにたくさんあると、最終的には貴音さんが全て片付けるしか無いと思うんだぜ。
そんな大騒ぎの中、春香さんは赤羽根Pにプレゼントを渡そうとするが…

社長「ウォッホン、えー、ここでひとつ、みんなに重大発表がある。星井クン、前へ」
美希「え?」
社長「星井美希クン、本年度『シャイニングアイドル賞・新人部門』受賞おめでとう!」
一同「えー?!」
美希「…美希が、何か貰ったの?」
P「ええっ! あっ、いつの間に…」
社長「はっはっはっは、ついさっき、連絡があってね」
小鳥「おめでとう、美希ちゃん」
美希「ありがとうなの! えっと、えっとー、じゃあねぇ。この賞は…」

美希、赤羽根Pのもとへ駆け寄り、

美希「美希からハニーへの、クリスマスプレゼントにするね! どう? ハニー、喜んでくれる?」
P「あっ、ああ…もちろん、もちろんだとも! 何より嬉しいプレゼントだよ!」
美希「やった、やったー♪ この勢いでミュージカルも頑張るね!」

祝福の拍手の途中で、手に持っていた赤羽根Pへのプレゼントを後ろに隠す春香さん。
ぉぅふ、何ともタイミングの悪い…。

律子「美希」
美希「は、はいなの」
律子「これはゴールじゃないのよ。スタートだからね」
美希「…分かってるの」
律子「ふふっ、おめでとう。嬉しいわ!」
美希「ありがとうなの! 律子!」
律子「…『さん』は?」
美希「さっ、さん!」

さ、最後だけ中の人(の地声)が滲んでるw
亜美・真美・美希がミニスカサンタ衣装を披露する中、少し離れたホワイトボード前で話している真と春香。

真「何だか今日は、奇跡みたいな事がたくさんある日だね」
春香「だって、クリスマスだもん」
真「けど、春香の言った通りになったね」
春香「え?」
真「ほら、夏の海で。『来年くらいにはみんな忙しくなって』って話をしたじゃないか。僕達なんだか、今は売れっ子アイドルみたいだ」
春香「そうだね」
真「来年はもう、集まれないのかな?」

第5話の夜の会話ですね。
と、そこに伊織が近付いて来て、やはりあの時と同じ様に口を挟む。

伊織「忙しくなるのはいい事よ。ファンのみんなと過ごすクリスマスの方が、アイドルらしいクリスマスじゃない」
真「だよね。よし、来年こそはフリフリの衣装着てライブするぞ!」
伊織「あんた、そーゆーの似合わないって、いいかげん気付きなさいよね」

給湯スペースにて、片付けをしている春香と千早、

春香「みんなが集まると、賑やかだよね」
千早「そうね。…でも、水瀬さんの言う通り、こーゆー日はファンの人と過ごすべきなのかも。少しずつ、色々な事を変えて行く事が、前へ進むと言う事かも知れないわ」
春香「…うん」

少し寂しそうな春香さんの横顔。

千早「でも、変わって欲しくない、って思うものもあるわ」
春香「…うん! 来年も、再来年も、こうやってみんなで集まれるといいよね」
千早「ええ」
真美「あれ? 誰か足りないよ」
亜美「あっ、はるるん! 千早お姉ちゃん!」
千早「行きましょ」
春香「うん」

パーテーションのせいで少し暗い給湯スペースから、皆の居る部屋の中央へ。その瞬間ふと足を止め、皆の様子を眺める春香。
それはいいんですけど、真、と言うか、平田宏美姉さん、そのガヤちょっと中身出てませんか?ww

真美「はるるん、早く」
春香「はーい」
亜美「遅いよ」
春香「ゴメンゴメン」

暗い側から明るい側を眺めて足を止める様とか、そんな春香さんの鞄の中に残ったプレゼントとか、この先の展開を暗示しているようで一抹の不安を挟み込む辺りが何とも憎いのです。憎いっ、憎いぞこの野郎!

Ending

新曲は基本的に2曲セットなんですね? と言う「Happy Christmas」
しかも、絵は「Christmas for you!」ジャケットモチーフとなっています。
「Christmas for you!」のジャケット(杏仁豆腐先生描きおろしイラスト)はCDの参加メンバーに合わせて春香・千早・やよい・真・美希でフルメンバーではありませんでしたし、この衣装は後にDLC衣装「ホーリーナイトドレス」になっていますが、それも「Live For You!」の時の話ですから響や貴音は居ない。
そこに更に小鳥さん、赤羽根P、高木社長も加わった状態での「Christmas for you!」ジャケット再現と言うのは何だか胸が熱くなります。

こっちはパート分けされてるんで、聞き分け易いですね。最初が春香で、次が貴音、続いて響、そして、あずささん、亜美・真美、千早、貴音、あずささん、全員…と言う感じか。バトンタッチのところで二人になる部分がお気に入りです。それに、クリスマスソングとしてはこの手の曲調が好き。
作詞は「目が逢う瞬間」「tear」の貝田由里子さん、作曲は「太陽のジェラシー」「蒼い鳥」「ALIVE」「眠り姫」でお馴染みの(NBGI)椎名豪さん、この二人の組み合わせとしては「隣に…」があります。編曲はFumingさん、初めて拝見したお名前でよく分かりません。

総括

残り3話ですか? いよいよクライマックスが見えてきました。
そうかー、やっぱ最後は春香さんだよな。
みんな、それぞれの道を見つけて、確かな足取りで前へと進み始めたよ。
で、春香さんはどうなの? と言う…

春香さんって、薄い本では時々「小鳥さん化」しちゃう事があるんですよね。
自分自身のためにアイドルとしての道を自ら選択して歩むのではなく、事務所のみんなのために一歩引いた立ち位置でもいいかな、と判断する春香さんを見てしまう同人作家さんが、少なくない数存在している。それこそ、さっきの給湯スペースの暗がりから皆の方を眺めていた春香さんのようにね。
果たして、アニマス春香さんはどんな道を選択するのか。赤羽根Pはそこにどう関われるのか。wktkのあまり夢に見る勢いです。